髄様癌
概要
髄様癌は甲状腺のC細胞(傍濾胞細胞)由来の悪性腫瘍で、カルシトニン産生が特徴となる。全甲状腺癌の約1〜2%を占め、家族性発症(MEN2型)と孤発性発症が存在する。進行例ではリンパ節や遠隔転移をきたすことがある。
要点
- 甲状腺C細胞由来でカルシトニンが腫瘍マーカーとなる
- 家族性(MEN2型)と孤発性が存在する
- 早期発見と外科的切除が予後改善に重要
病態・原因
髄様癌は甲状腺の傍濾胞C細胞由来で、遺伝性(RET遺伝子変異によるMEN2型)と孤発性の2型がある。家族性髄様癌は多発性内分泌腺腫症2型(MEN2A/2B)との関連が強い。
主症状・身体所見
無痛性の甲状腺腫瘤が主で、進行例では頸部リンパ節腫脹や嗄声、嚥下障害を認めることがある。カルシトニン過剰による下痢や顔面紅潮も特徴的。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血中カルシトニン | 高値 | 特異的腫瘍マーカー |
| 超音波検査 | 低エコー腫瘤、石灰化、境界不明瞭など | 甲状腺腫瘍の評価 |
| FNA細胞診 | 髄様癌特有の細胞像、アミロイド沈着 | 診断の決め手となることも |
血中CEAも高値となることが多い。遺伝子検査(RET変異)や副腎・副甲状腺の評価も家族性では重要。画像検査で転移検索を行う。
治療
- 第一選択:甲状腺全摘術+リンパ節郭清
- 補助療法:分子標的薬(進行例)、対症療法
- 注意点:家族性ではMEN2関連腫瘍のスクリーニングが必須
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 乳頭癌 | 乳頭状構造、リンパ節転移が多い | カルシトニン正常、TG高値 |
| 濾胞癌 | 血行性転移が多い、カプセル浸潤 | カルシトニン正常 |
| 未分化癌 | 急速進行、予後不良 | カルシトニン・TGともに不明瞭 |
補足事項
髄様癌はMEN2型の一部として発症することがあり、家族歴やRET遺伝子変異の検索が重要となる。早期発見・根治切除が最も有効な治療法である。