離人症

概要

離人症は自己や現実の感覚が非現実的・疎外的に感じられる解離症状の一つで、精神科領域でみられる。自分自身や外界が現実でない、あるいは自分が自分でないように感じる現象が特徴となる。多くは強いストレスやトラウマ体験に関連して発症する。

要点

  • 自己や現実感の喪失・変容が主症状
  • 精神疾患やストレス関連障害に合併しやすい
  • 器質的疾患や薬剤性との鑑別が重要

病態・原因

離人症は心理的ストレスやトラウマ、情動的葛藤などが誘因となり発症することが多い。脳の解離機構が過剰に働くことで、自己と現実との一体感が損なわれる。器質的脳疾患や薬物の影響、他の精神疾患に伴って出現する場合もある。

主症状・身体所見

自分の感覚や行動が自分のものではないように感じたり、現実が夢の中のように感じる「現実感喪失」が主症状である。感情の平板化や時間感覚の歪み、周囲との距離感の変化などもみられる。身体所見としては特異的な異常は認めない。

検査・診断

検査所見補足
精神科的問診離人感・現実感喪失の訴えDSM-5等の診断基準を参考
神経学的検査通常は異常なし器質疾患除外目的で施行
画像検査(MRI/CT)器質的異常なし器質疾患の鑑別に有用

診断は主に臨床的問診と精神症状の評価による。DSM-5では離人症/現実感消失症として分類され、器質的疾患や薬剤性、他の精神疾患によるものを除外することが重要である。

治療

  • 第一選択:精神療法(認知行動療法、支持的精神療法など)
  • 補助療法:薬物療法(抗うつ薬・抗不安薬)、ストレスマネジメント
  • 注意点:器質疾患・薬剤性の除外、急性ストレス時の安全確保

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
統合失調症妄想・幻覚の有無思考障害・陽性症状
うつ病抑うつ気分・意欲低下主体気分・意欲の評価
解離性障害記憶障害や多重人格解離性健忘・同一性障害

補足事項

離人症は慢性化することもあり、患者の苦痛が強い場合は長期的なサポートが必要となる。薬物療法は対症的であり、根本治療は精神療法が中心となる。ストレスやトラウマ体験の有無を丁寧に聴取することが重要である。

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