閉塞隅角緑内障
概要
閉塞隅角緑内障は、眼房水の流出路である隅角が閉塞することにより眼圧が急激に上昇し、視神経障害をきたす疾患である。高齢女性や遠視眼に多く、急性発作時には激しい眼痛や視力低下を伴う。早期診断と緊急治療が視機能予後に直結する。
要点
- 隅角閉塞による急性眼圧上昇が特徴
- 眼痛・充血・視力低下など急性症状を呈する
- 迅速な眼圧下降と隅角開放が治療の基本
病態・原因
房水の流出路である隅角が虹彩によって閉塞されることで、眼圧が急激に上昇し視神経障害を生じる。リスク因子には高齢、女性、遠視、浅前房などがある。情動や暗所、薬剤(抗コリン薬など)が誘因となることも多い。
主症状・身体所見
急性発作時には眼痛、頭痛、悪心・嘔吐、急激な視力低下、虹視(光の周囲が虹色に見える)、充血、角膜浮腫、硬い眼球、散瞳などがみられる。慢性例では無症状のこともある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 眼圧測定 | 著明な眼圧上昇 | 急性発作時は40mmHg以上も |
| 隅角検査 | 隅角の閉塞 | ゴニオスコピーで確認 |
| 眼底検査 | 視神経乳頭陥凹拡大 | 緑内障性視神経障害を評価 |
| 前眼部OCT | 隅角の形態異常 | 非侵襲的に隅角評価可能 |
診断は急性症状と眼圧上昇、隅角閉塞の確認で行う。眼底で視神経乳頭の陥凹や視野障害も参考となる。前眼部OCTやUBMによる隅角評価も有用。
治療
- 第一選択:点眼・内服・静注による眼圧下降(β遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬、浸透圧利尿薬など)
- 補助療法:レーザー虹彩切開術(LI)、必要に応じ白内障手術
- 注意点:対側眼にも発作予防の処置、薬剤禁忌(抗コリン薬等)に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 開放隅角緑内障 | 隅角は開放・慢性進行 | 隅角検査で開放 |
| 虹彩炎 | 眼痛・充血あるが眼圧は低下 | 前房フレア・セル、眼圧低下 |
| 眼内炎 | 重度の視力低下・疼痛 | 前房・硝子体混濁、炎症所見 |
補足事項
急性発作は失明リスクが高く、発症から24時間以内の治療開始が視機能予後に重要である。慢性型や無症候型も存在し、定期的な眼科検診が推奨される。