貨幣状湿疹
概要
貨幣状湿疹は、硬貨状・円形の境界明瞭な紅斑や浸潤性の湿疹病変を特徴とする皮膚疾患である。主に四肢伸側や体幹に多発し、強い痒みを伴う。慢性化・再発しやすく、アトピー素因や皮膚の乾燥が関与する。
要点
- 円形・硬貨状の湿疹が特に四肢・体幹に多発
- 強い痒みと滲出・痂皮形成を伴う
- 慢性・再発傾向があり保湿と外用療法が重要
病態・原因
皮膚のバリア機能低下や乾燥、外的刺激、アトピー素因などが発症に関与する。細菌感染の合併やアレルギー反応も誘因となりうる。
主症状・身体所見
境界明瞭な円形・楕円形の紅斑や湿疹病変が四肢伸側や体幹に多発し、強い掻痒感を伴う。滲出、痂皮、鱗屑を認めることが多い。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 皮膚視診 | 円形紅斑・浸潤・痂皮・鱗屑 | 臨床的特徴で診断が中心 |
| 真菌検査 | 真菌陰性 | 白癬との鑑別に有用 |
| 細菌培養 | 二次感染時に陽性となることあり | 病変の悪化時に施行 |
臨床症状と視診所見が診断の基本となる。真菌感染や他の湿疹性疾患との鑑別のため真菌検査や細菌培養を行うこともある。病理組織では表皮の海綿状態や真皮の炎症細胞浸潤を認める。
治療
- 第一選択:ステロイド外用薬
- 補助療法:保湿剤外用、抗ヒスタミン薬内服、二次感染時は抗菌薬
- 注意点:慢性例や再発予防のため皮膚の保湿と刺激回避を徹底
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 白癬 | 辺縁が隆起し中心治癒傾向 | 真菌検査陽性 |
| アトピー性皮膚炎 | 乳児期発症・屈側優位・家族歴 | IgE高値など |
| 接触皮膚炎 | 接触部位に一致・原因物質の関与 | パッチテスト陽性 |
補足事項
乾燥肌体質やアトピー素因を持つ高齢者での発症が多い。慢性経過をとりやすく、再発予防のために日常的なスキンケアが重要となる。