血管芽腫

概要

血管芽腫は主に中枢神経系や網膜、皮膚などに発生する良性の血管性腫瘍であり、若年〜中年に好発する。von Hippel-Lindau病との関連が知られており、単発または多発の結節として認められる。出血や圧迫による症状を呈することがある。

要点

  • 良性血管性腫瘍で中枢神経系や網膜に多い
  • von Hippel-Lindau病との合併が重要
  • 出血や腫瘤効果による神経症状を生じる

病態・原因

血管芽腫は新生血管の異常増殖により形成され、遺伝性疾患であるvon Hippel-Lindau病との関連が強い。孤発例も存在するが、VHL遺伝子異常が関与することが多い。

主症状・身体所見

小脳や網膜に発生する場合は頭痛、めまい、視力障害、運動失調などの神経症状が出現する。腫瘍の出血や脳圧亢進により急性症状を呈することもある。

検査・診断

検査所見補足
MRI増強効果を伴う嚢胞性または結節性病変小脳・網膜などに好発
眼底検査網膜血管腫として赤色結節を認めるvon Hippel-Lindau病のスクリーニングにも有用

画像診断ではMRIが有用で、嚢胞と増強効果を伴う結節が特徴的。遺伝子検査や家族歴の聴取も重要となる。

治療

  • 第一選択:外科的摘出
  • 補助療法:定位放射線治療、経過観察(症状や部位による)
  • 注意点:von Hippel-Lindau病合併例は全身検索と長期フォローが必要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
星細胞腫腫瘍の辺縁不明瞭、嚢胞形成少ないMRIで嚢胞性変化が乏しい
転移性脳腫瘍多発することが多い、原発巣の存在全身検索で原発巣を同定可能
膠芽腫急速進行性、造影不均一増強効果がリング状

補足事項

von Hippel-Lindau病では血管芽腫以外にも腎細胞癌や膵腫瘍など多臓器病変を合併するため、全身的な評価が求められる。

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