血栓性静脈炎

概要

血栓性静脈炎は、静脈壁の炎症とともに血栓が形成される疾患である。主に下肢の表在静脈に好発し、疼痛や発赤、腫脹を伴う。深部静脈血栓症や肺塞栓症への進展に注意が必要となる。

要点

  • 静脈炎と血栓形成が同時に発生
  • 下肢表在静脈に好発し、疼痛・発赤・腫脹を呈する
  • 深部静脈血栓症や肺塞栓症への進展リスクがある

病態・原因

静脈壁への機械的刺激や損傷、静脈うっ滞、血液凝固能亢進などが発症の主因となる。長時間の臥床、静脈注射、静脈瘤、悪性腫瘍、妊娠などがリスク因子となる。

主症状・身体所見

発症部位の疼痛、発赤、腫脹、索状硬結が特徴である。局所の熱感や圧痛もみられ、重症例では発熱や全身症状を伴うことがある。

検査・診断

検査所見補足
超音波検査(エコー)血栓の存在、静脈壁の肥厚最も有用な非侵襲的検査
Dダイマー軽度上昇深部静脈血栓症合併時に高値
血液検査炎症反応(CRP, 白血球増多)感染症や炎症の評価

超音波検査で血栓と静脈壁肥厚を確認することが診断の中心となる。深部静脈血栓症や肺塞栓症の合併が疑われる場合は追加検査が必要となる。

治療

  • 第一選択:患肢挙上、安静、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
  • 補助療法:弾性ストッキング着用、抗凝固療法(重症例や深部静脈血栓症合併例)
  • 注意点:肺塞栓症への進展や再発予防のためリスク評価と適切な管理が重要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
深部静脈血栓症深部静脈の腫脹・疼痛・発赤、全身症状エコーで深部静脈血栓を確認
蜂窩織炎皮膚のびまん性発赤・腫脹・疼痛、発熱血栓形成はみられない

補足事項

静脈瘤や悪性腫瘍の存在は再発や重症化のリスクとなるため、基礎疾患の検索も重要である。表在静脈炎のみでは重篤化は稀だが、深部静脈や肺塞栓症の合併に注意を要する。

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