下肢静脈瘤
概要
下肢静脈瘤は、下肢の表在静脈が拡張・蛇行し、瘤状に膨隆する疾患である。静脈弁不全による静脈血の逆流が主な原因となる。中高年女性に多く、慢性的な下肢症状や美容上の問題をきたす。
要点
- 下肢表在静脈の拡張・蛇行が特徴
- 静脈弁不全による血流逆流が主因
- 慢性的な下肢のむくみやだるさを伴う
病態・原因
主な発症機序は、下肢表在静脈の静脈弁不全による血液の逆流である。長時間の立位や肥満、妊娠、加齢などがリスク因子となる。静脈壁の脆弱化や遺伝的素因も関与する。
主症状・身体所見
下肢の静脈が蛇行・拡張し、皮膚表面に浮き出て瘤状にみえる。だるさ、重さ、むくみ、夜間のこむら返り、掻痒感などの症状がみられる。進行例では色素沈着や皮膚潰瘍を伴うことがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 視診・触診 | 表在静脈の拡張・蛇行、瘤状膨隆 | 立位で観察する |
| 下肢超音波検査 | 静脈弁不全、逆流、静脈径拡大 | ドプラ法で逆流確認 |
| 静脈造影 | 静脈の拡張・蛇行、逆流の確認 | 詳細な血管走行評価 |
診断は主に視診・触診と下肢超音波検査で行う。ドプラ法による静脈逆流の有無や範囲、静脈径の測定が重要。重症度分類にはCEAP分類が用いられる。
治療
- 第一選択:弾性ストッキング着用、血管内焼灼術(レーザー・高周波)
- 補助療法:運動療法、下肢挙上、生活指導
- 注意点:潰瘍や色素沈着がある場合は皮膚ケアを併用
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 深部静脈血栓症 | 急性発症の疼痛・腫脹 | 超音波で深部静脈に血栓 |
| リンパ浮腫 | 皮膚の肥厚・象皮様変化 | リンパ管造影で異常所見 |
補足事項
美容的な要因で受診する例も多い。長期間放置すると皮膚炎や潰瘍などの合併症を生じるため、早期治療が推奨される。近年は低侵襲な血管内治療が主流となっている。