臍腸管遺残
概要
臍腸管遺残は胎生期に消失すべき臍腸管が残存する先天異常の一群である。最も頻度が高いのはMeckel憩室で、その他にも臍腸管瘻や囊胞など多様な形態をとる。小児期に臍からの分泌や腸閉塞、炎症などで発症することが多い。
要点
- 胎児期の臍腸管の閉鎖障害による先天性疾患
- Meckel憩室や臍腸管瘻、囊胞など多様な形態
- 臍からの分泌や腹痛、腸閉塞など多彩な症状を呈する
病態・原因
胎生6〜8週頃に本来閉鎖・消失するはずの臍腸管(卵黄管)が何らかの原因で遺残することで発症する。遺残部位や程度によりMeckel憩室、臍腸管瘻、臍腸管囊胞、臍腸管索状遺残など種々の病型をとる。
主症状・身体所見
臍からの粘液や便性分泌、臍周囲の発赤・腫脹、腹痛、嘔吐、腸閉塞症状がみられる。Meckel憩室では消化管出血や炎症、腸重積の原因となる場合もある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 超音波検査 | 臍部〜小腸にかけての囊胞や管腔構造 | 小児の初期スクリーニングに有用 |
| 造影検査 | 瘻孔や憩室、囊胞の存在や交通を描出 | 造影剤の臍からの排出で瘻孔を確認 |
| Tc-99mシンチ | Meckel憩室の異所性胃粘膜集積 | 出血例や憩室疑いで有用 |
臨床症状や身体所見、画像検査(超音波、CT、造影)で診断する。Meckel憩室はシンチグラフィで異所性胃粘膜を検出できる。
治療
- 第一選択:外科的切除(憩室・瘻・囊胞の摘出)
- 補助療法:感染や炎症があれば抗菌薬投与
- 注意点:無症候性でも合併症予防のため切除を考慮
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Meckel憩室 | 臍腸管遺残の一型で小腸側に袋状突出 | シンチで異所性胃粘膜集積 |
| 臍帯ヘルニア | 臍部腫瘤で腹壁欠損 | 画像で腹腔内臓器の脱出 |
| 腸管重複症 | 腸管と並行する囊胞状構造 | 超音波・CTで壁構造を確認 |
補足事項
臍腸管遺残は新生児・乳児の臍部異常として重要であり、成人発症例も稀に存在する。Meckel憩室は消化管出血の原因として小児救急で鑑別必須。