腎結核
概要
腎結核は結核菌(Mycobacterium tuberculosis)による腎臓の慢性感染症で、尿路結核の一部を構成する。肺結核に続発することが多く、進行すると腎実質の破壊や尿路狭窄をきたす。症状は非特異的で診断が遅れることがある。
要点
- 結核菌による腎臓の慢性肉芽腫性炎症
- 進行例では腎機能障害や尿路狭窄を生じる
- 診断には尿検査・画像・培養が重要
病態・原因
肺結核などの原発巣から血行性に腎臓へ結核菌が播種され、慢性肉芽腫性炎症を引き起こす。免疫低下や既往歴がリスク因子となる。進行すると腎実質の破壊や瘢痕形成、尿路狭窄が生じる。
主症状・身体所見
初期は無症状のことが多いが、進行すると頻尿、排尿時痛、血尿、膿尿などの尿路刺激症状が出現する。腎機能障害や側腹部痛、発熱を伴うこともある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 尿一般・尿沈渣 | 無菌性膿尿、血尿 | 尿路感染症状があるが培養陰性が特徴 |
| 尿結核菌培養 | 結核菌陽性 | 3回以上の尿検体で感度向上 |
| 画像検査 | 腎萎縮、石灰化、尿路狭窄 | CTやIVPで特徴的所見 |
尿培養で結核菌の検出が診断の決め手となる。画像では腎の萎縮、石灰化、尿路の不整や狭窄が認められる。診断基準は臨床症状、尿中結核菌検出、画像所見の組み合わせで総合的に判断する。
治療
- 第一選択:抗結核薬(イソニアジド、リファンピシン、エタンブトール、ピラジナミド併用療法)
- 補助療法:尿路狭窄や腎機能障害には外科的治療やドレナージ
- 注意点:治療期間は6ヶ月以上、薬剤耐性や副作用管理も重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 腎盂腎炎 | 発熱・急性経過・細菌培養陽性 | 一般細菌培養陽性、膿尿 |
| 腎膿瘍 | 局所性腫瘤・重症感染 | 画像で限局性膿瘍形成 |
| 腎細胞癌 | 無症状血尿・腫瘤触知 | 画像で腫瘍性病変 |
補足事項
腎結核は非特異的な経過をとるため、尿路症状や画像異常が持続する場合は必ず鑑別に挙げる。多剤耐性結核やHIV合併例では治療選択や予後に注意を要する。