腎膿瘍
概要
腎膿瘍は腎実質内に膿が形成される化膿性感染症であり、尿路感染症や血行性感染が原因となる。重症化しやすく、早期診断と適切な治療が重要である。糖尿病や尿路障害を背景に発症しやすい。
要点
- 腎実質内に膿瘍を形成する重篤な細菌感染症
- 発熱・腰痛・尿所見異常が主な臨床症状
- 画像診断と膿瘍ドレナージが治療の鍵
病態・原因
腎膿瘍は主に尿路感染症の進展や血行性感染によって腎実質内に膿瘍が形成される。糖尿病や尿路閉塞、免疫低下状態がリスク因子となる。起因菌は大腸菌や黄色ブドウ球菌などが多い。
主症状・身体所見
発熱、腰背部痛、悪寒、全身倦怠感が典型的であり、尿所見異常(膿尿、血尿)を伴うことが多い。重症例では敗血症性ショックや意識障害に至ることもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 尿検査 | 膿尿、血尿、細菌尿 | 尿培養で起因菌同定 |
| 腹部CT・超音波 | 腎実質内の低吸収域、膿瘍形成 | 造影CTが診断に有用 |
| 血液検査 | 炎症反応上昇(CRP、白血球増多) | 腎機能障害の評価も重要 |
診断は臨床症状と尿所見、画像検査(特に造影CT)による膿瘍の同定が決め手となる。血液培養や尿培養での起因菌同定も治療方針に重要。
治療
- 第一選択:広域抗菌薬投与(起因菌に応じ調整)、膿瘍ドレナージ
- 補助療法:輸液、解熱鎮痛、基礎疾患管理
- 注意点:治療遅延による敗血症化、再発防止のための尿路管理
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 腎盂腎炎 | 膿瘍形成なし、発熱・腰痛 | 画像で膿瘍形成を認めない |
| 腎結核 | 慢性経過、無菌性膿尿 | 結核菌検出、石灰化像 |
| 腹腔内膿瘍 | 腎外部での膿瘍形成、腹痛主体 | 画像で腎外膿瘍を確認 |
補足事項
高齢者や糖尿病患者では症状が非典型的なことがあり、診断遅延に注意が必要。治療反応不良例では耐性菌や他部位感染の合併を考慮する。