腎性糖尿
概要
腎性糖尿は、血糖値が正常であるにもかかわらず、尿中に糖が排泄される疾患である。主に近位尿細管のグルコース再吸収障害が原因となる。糖尿病とは異なり、血糖値の上昇を伴わない点が特徴である。
要点
- 血糖値正常でも尿糖陽性となる
- 近位尿細管のグルコース再吸収障害が主因
- 治療不要で予後良好なことが多い
病態・原因
腎性糖尿は、腎臓の近位尿細管におけるグルコース再吸収機能の障害によって発症する。先天性(遺伝性)と後天性があり、SGLT2トランスポーターの機能異常が主な原因である。
主症状・身体所見
多くは無症状で健康診断などの尿検査で発見される。血糖値は正常であり、糖尿病に特有の多尿や口渇、体重減少などは認められない。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 尿検査 | 尿糖陽性 | 血糖値正常下での尿糖検出 |
| 血糖値測定 | 正常範囲 | 空腹時・随時血糖値とも正常 |
| 腎機能検査 | 通常は正常 | 他の腎機能障害との鑑別に有用 |
血糖値が正常でありながら尿糖が陽性であることが診断の決め手となる。糖尿病や他の腎疾患との鑑別が重要である。
治療
- 第一選択:特別な治療は不要
- 補助療法:定期的な経過観察
- 注意点:糖尿病との誤診を避ける
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 糖尿病 | 高血糖・多尿・口渇 | 血糖値上昇・尿糖陽性 |
| Fanconi症候群 | アミノ酸尿・リン酸尿も伴う | 汎尿細管機能障害 |
補足事項
腎性糖尿は予後良好で、通常は合併症をきたさない。小児や若年者で発見されることが多く、生活指導のみで十分な場合が多い。