脱水症
概要
脱水症は体液量の減少により、細胞内外の水分バランスが崩れる病態である。原因は発汗、嘔吐、下痢、利尿薬使用など多岐にわたる。重症化すると循環不全や意識障害をきたすため、迅速な診断と補正が重要となる。
要点
- 体液喪失の原因と程度を迅速に評価する必要がある
- 高齢者や乳幼児では症状が非典型的となりやすい
- 治療は原因除去と適切な輸液による補正が中心
病態・原因
脱水症は水分と電解質の喪失が体内で補えなくなった状態であり、発汗、下痢、嘔吐、出血、利尿薬、糖尿病性高血糖などが主な原因となる。高齢者や小児は感受性が高く、環境や基礎疾患も発症リスクとなる。
主症状・身体所見
口渇、乏尿、皮膚の乾燥、眼球陥没、頻脈、血圧低下、意識障害などがみられる。重症例ではショックや腎不全に至ることもある。高齢者や乳幼児では症状が目立たないこともある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | BUN/Cr上昇、Na異常、Ht上昇 | 電解質異常・腎機能評価 |
| 尿検査 | 濃縮尿、尿比重上昇 | 腎の水分保持能を反映 |
| 血液ガス分析 | 代謝性アシドーシス/アルカローシス | 重症度・合併症評価 |
臨床症状と検査結果を総合して診断する。体重減少や皮膚のツルゴール低下も診断の参考となる。重症度はNa値や意識障害、循環動態で評価する。
治療
- 第一選択:原因検索と補正、適切な輸液(生理食塩水や乳酸リンゲル液)
- 補助療法:経口補水液投与、電解質補正、基礎疾患の治療
- 注意点:急速な補正は脳浮腫等のリスク、基礎疾患や年齢に応じた調整
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 低ナトリウム血症 | 血清Na低下、意識障害 | Na値低下、体液量変動多様 |
| 腎性尿崩症 | 多尿、口渇、尿比重低下 | 尿浸透圧・尿比重低下 |
| 糖尿病性高血糖症 | 高血糖、口渇、多尿 | 血糖著明上昇、ケトン体陽性 |
補足事項
高齢者や乳幼児では症状が非典型的となり、重症化しやすい。基礎疾患や服薬状況の把握も重要であり、再発予防のための生活指導も必要となる。