肝内胆管癌

概要

肝内胆管癌は、肝臓内の胆管上皮から発生する悪性腫瘍で、肝細胞癌とは異なる臨床像を示す。日本では比較的稀な肝悪性腫瘍であり、進行が早く予後不良であることが多い。診断時にはしばしば進行していることが多く、治療選択が限られる。

要点

  • 肝内胆管上皮由来の悪性腫瘍で早期発見が困難
  • 画像診断で肝細胞癌と鑑別が重要
  • 外科的切除が唯一の根治的治療法

病態・原因

肝内胆管癌は肝臓内の胆管上皮細胞の腫瘍性増殖によって発症する。リスク因子として肝内結石症、原発性硬化性胆管炎、肝吸虫感染、B型・C型肝炎などが報告されている。病理学的には腺癌が主体で、浸潤・転移傾向が強い。

主症状・身体所見

初期は無症状のことが多いが、進行すると右季肋部痛、体重減少、黄疸、発熱などがみられる。肝腫大や腹水、全身状態の悪化を認めることもある。多くは症状出現時に進行例となる。

検査・診断

検査所見補足
腹部CT/MRI辺縁増強性腫瘤、低吸収域肝細胞癌と異なり動脈相での濃染乏しい
腫瘍マーカー(CA19-9, CEA)上昇例ありAFPは陰性のことが多い
組織生検腺癌細胞の証明診断確定に有用

画像診断で肝内腫瘤の辺縁増強や胆管拡張を認める。血清AFPは通常上昇しない。確定診断には組織生検が必要で、腺癌細胞の証明が診断基準となる。

治療

  • 第一選択:外科的切除(肝切除)
  • 補助療法:化学療法(ゲムシタビン+シスプラチンなど)、放射線療法
  • 注意点:根治切除困難例が多く、再発リスクが高い

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
肝細胞癌肝炎・肝硬変合併、AFP上昇画像で動脈相濃染・washout、AFP陽性
転移性肝癌他臓器原発が明らか原発巣の存在、腫瘍マーカー多様
胆管癌肝外胆管に発生、閉塞性黄疸ERCPで胆管狭窄、画像で肝外胆管病変

補足事項

肝内胆管癌は近年増加傾向がみられ、診断・治療法の進歩が求められている。分子標的治療薬の臨床応用も研究段階である。

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