糖原病Ⅲ型

概要

糖原病Ⅲ型は、肝臓や筋肉におけるグリコーゲン分解酵素(デブランチング酵素)の欠損により発症する常染色体劣性遺伝疾患である。肝腫大や低血糖、筋症状を主徴とし、小児期に発見されることが多い。主に肝臓と骨格筋に異常グリコーゲンの蓄積を認める。

要点

  • デブランチング酵素の遺伝的欠損によるグリコーゲン代謝異常
  • 乳幼児期からの肝腫大・低血糖・筋力低下が特徴
  • 肝機能障害や筋障害の長期経過に注意が必要

病態・原因

Agl遺伝子変異によりグリコーゲンデブランチング酵素(amylo-1,6-glucosidase, 4-α-glucanotransferase)が欠損し、グリコーゲンの分解が障害される。常染色体劣性遺伝形式をとり、肝臓や骨格筋に異常構造のグリコーゲンが蓄積する。

主症状・身体所見

乳児期から肝腫大が出現し、空腹時低血糖、成長障害、筋力低下や筋肉痛がみられる。筋型では筋症状が強く、肝型では肝腫大や肝機能障害が主体となる。筋肉の萎縮や易疲労感も認められる。

検査・診断

検査所見補足
血液生化学低血糖、高トリグリセリド血症、CK上昇肝機能障害も伴う場合あり
肝・筋生検異常グリコーゲン沈着PAS染色で陽性、電子顕微鏡で特徴的所見
遺伝子検査Agl遺伝子変異の同定確定診断に有用

肝腫大や低血糖、筋症状を認める小児で疑い、酵素活性測定や遺伝子検査で診断確定する。画像検査(腹部エコー)で肝腫大、筋MRIで筋変性所見を認めることもある。

治療

  • 第一選択:頻回少量食、未消化デンプン(コーンスターチ)投与
  • 補助療法:肝機能や筋障害に対する支持療法、ビタミン・ミネラル補充
  • 注意点:低血糖の予防、長期的な肝障害・心筋障害のモニタリング

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
糖原病Ⅰ型腎障害・高乳酸血症が目立つG6Pase活性低下、乳酸上昇
糖原病Ⅱ型筋症状と心筋障害が顕著酵素欠損部位がリソソームα-グルコシダーゼ

補足事項

糖原病Ⅲ型は肝障害や筋障害の程度に個人差が大きく、成長とともに症状が変化しうる。成人期以降に心筋症を合併することもあるため、定期的な経過観察が重要である。

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