相対的赤血球増加症
概要
相対的赤血球増加症は、体液量の減少により血液中の赤血球濃度が見かけ上増加する状態を指す。赤血球総量は正常であるが、脱水や血漿減少が原因となる。真性赤血球増加症とは異なり、赤血球産生自体の増加はみられない。
要点
- 赤血球総量は正常で、血漿量の低下により赤血球濃度が上昇
- 脱水やストレスなど体液減少が主な原因
- 真性赤血球増加症との鑑別が重要
病態・原因
体液の喪失(発汗、嘔吐、下痢、利尿薬使用など)や血漿の移動減少によって、血漿量が減少し赤血球濃度が相対的に上昇する。赤血球の産生自体は増加していない点が特徴である。
主症状・身体所見
明確な自覚症状は少ないが、基礎疾患による脱水症状(口渇、皮膚の乾燥、頻脈、低血圧など)がみられることがある。血液検査でヘマトクリットやヘモグロビン値の上昇が認められる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | ヘマトクリット・Hb値の上昇 | 赤血球数は正常範囲 |
| 血漿量測定 | 血漿量の減少 | 赤血球量は増加しない |
| エリスロポエチン | 正常または低値 | 真性や二次性赤血球増加症では高値 |
赤血球総量の測定により、赤血球量が正常であることを確認する。脱水や血漿量減少の原因を評価し、真性赤血球増加症や二次性赤血球増加症との鑑別が重要となる。
治療
- 第一選択:脱水・体液減少の補正(輸液など)
- 補助療法:原因疾患の治療、体液バランスの管理
- 注意点:過度な補液による心不全や電解質異常に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 真性赤血球増加症 | 赤血球総量増加、エリスロポエチン低値 | 骨髄増殖性疾患の所見 |
| 二次性赤血球増加症 | 赤血球総量増加、エリスロポエチン高値 | 低酸素血症や腫瘍などの原因 |
| 相対的赤血球増加症 | 血漿量減少、赤血球総量正常 | 脱水や体液減少の証拠 |
補足事項
慢性的なストレスや肥満症候群(Gaisböck症候群)などでも相対的赤血球増加症がみられることがある。輸液管理や基礎疾患の治療が予後に直結する。