症候性肥満

概要

症候性肥満は、内分泌疾患や遺伝性疾患、薬剤性など特定の原因によって二次的に発症する肥満を指す。単純性肥満と異なり、原因疾患の治療が重要となる。診断には基礎疾患の検索が不可欠である。

要点

  • 肥満の背景に明確な原因疾患が存在する
  • 原因疾患の治療が肥満改善の鍵となる
  • 鑑別には詳細な問診・検査が必要

病態・原因

症候性肥満は、クッシング症候群、甲状腺機能低下症、インスリノーマ、遺伝性症候群(Prader-Willi症候群など)、薬剤(副腎皮質ステロイドなど)によるものなどが原因となる。病態は基礎疾患のホルモン異常や代謝異常に起因する。

主症状・身体所見

全身性の体重増加が主症状だが、中心性肥満や満月様顔貌、多毛、皮膚線条、筋力低下など、原因疾患に特有の身体所見を伴う場合が多い。小児では成長障害や発達遅延を伴うこともある。

検査・診断

検査所見補足
ホルモン検査コルチゾール高値、TSH・FT4異常など内分泌疾患の鑑別に有用
遺伝子検査異常遺伝子の同定Prader-Willi症候群などの遺伝性疾患で施行
画像検査(MRI/CTなど)副腎腫瘍、下垂体腫瘍などの発見原因疾患の局在診断

二次性肥満が疑われる場合は、成長曲線や身体所見から単純性肥満と鑑別し、必要に応じて内分泌検査や画像検査、遺伝子検査を組み合わせて診断する。

治療

  • 第一選択:原因疾患の治療(内分泌疾患の薬物・手術療法など)
  • 補助療法:食事・運動療法、心理社会的サポート
  • 注意点:単純性肥満との鑑別、原因疾患の再発・悪化の監視

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
原発性肥満明らかな基礎疾患なしホルモン・遺伝子検査正常
クッシング症候群中心性肥満、満月様顔貌、皮膚線条コルチゾール高値、ACTH異常
甲状腺機能低下症浮腫、寒がり、徐脈TSH高値、FT4低値

補足事項

症候性肥満は小児肥満や成人肥満の一部に含まれ、全体の肥満患者のなかでは稀である。特に小児で成長障害を伴う場合は精査が必須である。

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