原発性肥満
概要
原発性肥満は、過剰なエネルギー摂取と消費の不均衡により体脂肪が過剰に蓄積した状態で、明らかな内分泌疾患や遺伝性疾患などの二次的原因を持たない肥満を指す。現代社会における生活習慣や環境要因が発症の主因となる。多くは生活習慣病や代謝異常のリスクとなる。
要点
- 過剰なエネルギー摂取と運動不足が主因
- 内分泌疾患や遺伝性疾患などの二次性肥満を除外
- 生活習慣病や心血管疾患のリスクが増加
病態・原因
原発性肥満の主な原因は、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることによる脂肪組織の増加である。高カロリー食や運動不足、社会的・心理的要因、遺伝的素因が複雑に関与するが、明確な内分泌異常や遺伝子疾患は認めない。
主症状・身体所見
体重増加、体脂肪率の上昇、腹囲拡大が主要な所見である。進行すると高血圧、脂質異常症、耐糖能異常(糖尿病)などの生活習慣病を合併しやすい。皮膚線条や膝関節痛などもみられることがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| BMI測定 | 25kg/m²以上 | 日本肥満学会基準 |
| 体脂肪率 | 増加 | 性別・年齢で基準値異なる |
| 血液検査 | 脂質異常・高血糖 | 生活習慣病スクリーニング |
診断はBMIや体脂肪率の評価を基本とし、問診で二次性肥満を除外する。必要に応じて内分泌疾患や遺伝性疾患の精査も行う。腹部CTや超音波で内臓脂肪の評価を行うこともある。
治療
- 第一選択:食事療法・運動療法による生活習慣改善
- 補助療法:行動療法、薬物療法(必要時)、栄養指導
- 注意点:リバウンド防止、合併症の早期発見と管理
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 症候性肥満 | 内分泌疾患や遺伝性疾患の存在 | ホルモン異常・特異的遺伝子異常 |
| メタボリックシンドローム | 内臓脂肪型肥満+複数の代謝異常 | 血圧・脂質・血糖異常の合併 |
補足事項
小児期からの発症や家族歴の有無は将来的な生活習慣病リスク評価に重要である。近年、肥満症治療薬や外科的治療の適応が拡大しているが、基本は生活習慣の見直しと長期的な体重管理にある。