疱疹状皮膚炎

概要

疱疹状皮膚炎は、主にIgA自己抗体が表皮基底膜部に沈着し、皮膚に小水疱や紅斑を生じる自己免疫性水疱症である。グルテン感受性腸症(セリアック病)との関連が強く、左右対称性に強い痒みを伴う皮膚症状が特徴的である。

要点

  • IgA自己抗体が基底膜部に沈着する
  • 小水疱と紅斑が左右対称に出現し強い痒みを伴う
  • グルテン感受性腸症との関連がある

病態・原因

主な病態は、自己免疫機序によるIgA抗体の表皮基底膜部沈着である。発症には遺伝的素因やグルテン摂取が関与し、セリアック病患者に高頻度で認められる。環境因子や薬剤も誘因となる場合がある。

主症状・身体所見

左右対称性の強い掻痒を伴う紅斑や丘疹、水疱が四肢伸側や臀部、頭皮などに多発する。水疱は小さく集簇し、しばしば破れて痂皮を形成する。口腔粘膜病変は稀だが認められることもある。

検査・診断

検査所見補足
皮膚生検表皮下水疱、好中球浸潤病理組織で診断補助
直接免疫蛍光基底膜部へのIgA線状沈着診断の決め手
血清抗体検査抗エンドミジウムIgA抗体の上昇セリアック病合併では有用

診断は皮膚生検による組織像と直接免疫蛍光法でのIgA線状沈着の確認が不可欠である。セリアック病の合併評価のため血清抗体検査や消化管生検を追加することもある。

治療

  • 第一選択:ダプソン(DDS)投与
  • 補助療法:グルテン除去食、抗ヒスタミン薬、局所療法
  • 注意点:ダプソンの副作用(溶血性貧血等)に注意、定期的な血液検査

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
水疱性類天疱瘡高齢者に多く大水疱、IgG沈着直接免疫蛍光でIgG/C3沈着
尋常性天疱瘡粘膜病変が主体、表皮内水疱直接免疫蛍光で表皮内IgG沈着
接触皮膚炎接触部位に限局、既往歴で鑑別病理で海綿状態、免疫沈着なし

補足事項

ダプソン投与時はG6PD欠損症や溶血性貧血のリスク評価が重要。グルテン除去食の導入で皮膚症状・腸症状双方の改善が期待できる。小児発症例や高齢発症例では経過・治療反応性が異なることがある。

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