落葉状天疱瘡

概要

落葉状天疱瘡は、自己免疫機序により表皮細胞間の接着が障害される水疱性疾患。主に皮膚表層に浅い水疱や鱗屑を形成し、粘膜病変はまれである。尋常性天疱瘡と比べて水疱が破れやすく、紅斑やびらんを生じやすい。

要点

  • 表皮細胞間接着に対する自己抗体が病態の中心
  • 浅在性の水疱と鱗屑性紅斑が主体で粘膜病変は少ない
  • ステロイドを中心とした免疫抑制療法が治療の主軸

病態・原因

主な原因は、デスモグレイン1(Dsg1)に対する自己抗体の産生であり、これにより表皮細胞間の接着が障害される。遺伝的素因や環境因子も関与するが、詳細な発症機序は未解明な点が多い。

主症状・身体所見

皮膚の浅い水疱や鱗屑性紅斑が全身に出現しやすく、水疱は容易に破れてびらんとなる。粘膜病変はほとんど認められず、慢性的に進行することが多い。

検査・診断

検査所見補足
皮膚生検表皮角層直下の裂隙形成表皮内の浅い水疱を認める
直接免疫蛍光表皮細胞間IgG沈着網状の蛍光パターンが特徴的
血清自己抗体抗Dsg1抗体陽性ELISAで測定されることが多い

診断は臨床像と組織学的所見、直接免疫蛍光法による表皮細胞間のIgG沈着の確認が決め手となる。血清中の抗デスモグレイン1抗体の測定も有用。

治療

  • 第一選択:全身性副腎皮質ステロイド投与
  • 補助療法:免疫抑制薬(アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル等)、皮膚ケア
  • 注意点:感染症リスク管理・長期副作用対策が重要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
尋常性天疱瘡粘膜病変が多く深い水疱抗Dsg3抗体陽性、深在性水疱
水疱性類天疱瘡高齢者に多い、緊満性水疱表皮下水疱、基底膜部IgG沈着
疱疹状皮膚炎強い掻痒と群集性小水疱IgA沈着、好中球浸潤

補足事項

落葉状天疱瘡は尋常性天疱瘡よりも表在性で、粘膜病変が少ない点が特徴である。治療反応性は比較的良好だが、再発や副作用管理が課題となる。

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