特発性器質化肺炎
概要
特発性器質化肺炎(Idiopathic Organizing Pneumonia, IOP)は、原因不明の間質性肺炎の一種で、肺胞や細気管支に肉芽組織が器質化して形成される。比較的急性または亜急性の経過をとり、ステロイド治療への反応が良好であることが特徴。
要点
- 原因不明の間質性肺炎で、肺胞内に器質化組織がみられる
- 画像で移動性・多発性の浸潤影が特徴的
- ステロイド治療に良好な反応を示す
病態・原因
明確な原因はなく、感染や薬剤、膠原病などの二次性器質化肺炎が除外されたものを指す。肺胞や細気管支の損傷後、肉芽組織が肺胞内に増殖し器質化することでガス交換障害をきたす。
主症状・身体所見
発熱、咳嗽、労作時呼吸困難などが主な症状で、しばしば急性または亜急性に発症する。身体所見では両側性の捻髪音が聴取されることが多い。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 胸部CT | 末梢優位の多発浸潤影、移動性陰影 | しばしば両側性、コンソリデーション像 |
| 気管支肺胞洗浄 | 炎症細胞増加 | 好中球やリンパ球の増加がみられる |
| 病理組織 | Masson体(器質化病変) | 肺胞腔内の肉芽組織形成が診断的 |
診断は臨床像と画像所見、必要に応じて病理組織検査で確定する。胸部CTの移動性・多発性浸潤影が診断の手がかりとなる。
治療
- 第一選択:副腎皮質ステロイド全身投与
- 補助療法:酸素投与、呼吸リハビリテーション
- 注意点:再発例もあるためステロイド減量は慎重に行う
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 特発性肺線維症 | 緩徐進行性、蜂巣肺像 | CTで網状影・蜂巣肺優位 |
| 細菌性肺炎 | 急性発症、高熱、膿性痰 | 白血球増多、培養陽性 |
| 非特異性間質性肺炎 | 緩徐進行性、すりガラス影 | 病理で均一な線維化 |
補足事項
再発は10~30%程度にみられる。薬剤性や膠原病関連など二次性器質化肺炎との鑑別が重要。治療反応性が良いが、長期経過観察が必要。