毛巣洞

概要

毛巣洞は主に仙尾部(尾てい骨周囲)に生じる皮膚・皮下組織の慢性炎症性疾患で、毛髪や異物の侵入による化膿性病変を特徴とする。若年男性に多く、再発しやすい傾向がある。

要点

  • 仙尾部に好発する慢性膿瘍性疾患
  • 毛髪の侵入や摩擦が発症に関与
  • 膿瘍形成や瘻孔形成を認め再発しやすい

病態・原因

毛巣洞は主に毛髪が皮膚に侵入し、異物反応や細菌感染を惹起することで発症する。肥満や多毛、長時間の座位、摩擦などがリスク因子となる。慢性化すると膿瘍や瘻孔を形成する。

主症状・身体所見

仙尾部正中線上に小孔や腫脹、発赤、圧痛、膿汁排出を認める。慢性例では瘻孔や二次的な皮膚炎、周囲組織の硬結を伴うことが多い。発熱や疼痛を伴う急性増悪もある。

検査・診断

検査所見補足
視診・触診仙尾部正中の小孔・膿汁・腫脹典型的な局所所見が診断の中心
超音波検査膿瘍や瘻孔の範囲を評価手術前の範囲確認に有用
細菌培養膿汁から起炎菌検出難治例や再発例で参考

視診と触診による局所所見が診断の基本。画像検査は膿瘍・瘻孔の範囲や深達度評価に用いる。鑑別のために膿汁の細菌培養を行うこともある。

治療

  • 第一選択:外科的切開・摘除術(根治には瘻孔・膿瘍全体の切除)
  • 補助療法:抗菌薬投与(急性炎症時)、創部の清潔保持、除毛指導
  • 注意点:再発予防のため創部管理と生活指導が重要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
肛門周囲膿瘍肛門輪付近に疼痛性腫脹、発熱直腸診・MRIで肛門管との連続性
痔瘻肛門管と皮膚を結ぶ瘻孔内口の存在、肛門管造影で確認
毛包炎小型の膿疱・紅斑、限局性毛包単位での炎症、瘻孔形成なし

補足事項

再発例や難治例では広範囲切除や皮弁形成術が必要となることがある。肥満・多毛・長時間座位などの生活習慣改善が再発予防に有効とされる。

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