横川・異型吸虫症

概要

横川吸虫や異型吸虫などの小型吸虫による寄生虫症で、主に淡水魚の摂取を介して感染する。小腸に寄生し、消化器症状を引き起こす。日本を含む東アジアに多く分布する。

要点

  • 淡水魚の生食による感染が主な原因
  • 下痢や腹痛などの消化器症状が中心
  • 駆虫薬による治療で予後は良好

病態・原因

主に淡水魚に含まれる横川吸虫や異型吸虫のメタセルカリア摂取によりヒト小腸に寄生する。感染リスクは生食文化や衛生環境、淡水魚の調理法に依存する。寄生虫が小腸粘膜に付着し、炎症や機械的刺激を与える。

主症状・身体所見

感染初期は無症状のこともあるが、腹痛、下痢、悪心、食欲不振などの消化器症状がみられる。重症例では栄養障害や体重減少を伴うこともある。身体所見は特異的でないが、腹部圧痛が認められる場合がある。

検査・診断

検査所見補足
便検査吸虫卵の検出複数回の便検査で感度向上
血液検査好酸球増多、軽度炎症所見重症例や合併症で異常が目立つことも
画像検査小腸壁の肥厚や浮腫超音波やCTで補助的に評価

診断は便中の吸虫卵検出が決め手となる。臨床症状や食歴から疑い、必要に応じて複数回の便検査を行う。画像所見は主に重症例で認められる。

治療

  • 第一選択:プラジカンテルの内服
  • 補助療法:消化器症状に対する対症療法や栄養管理
  • 注意点:再感染予防のため淡水魚の生食を避ける指導が重要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
アニサキス海産魚摂取歴、急性激烈な腹痛便中卵なし、内視鏡で虫体確認
感染性腸炎細菌・ウイルス感染の既往、発熱頻度高い便培養・ウイルス検査陽性
吸収不良症候群慢性経過、脂肪便、栄養障害が主体便中虫卵なし、吸収試験異常

補足事項

日本では生食文化の影響で発生がみられるが、衛生環境の改善とともに減少傾向にある。海外旅行者の輸入症例にも注意が必要。プラジカンテルは副作用が少なく安全性が高い。

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