斜頸
概要
斜頸は、頸部が一側に傾き、頭部が回旋する異常姿勢を呈する疾患である。先天性筋性斜頸が最も多く、出生直後から乳児期に発見されることが多い。外傷、炎症、神経疾患など多様な原因が存在する。
要点
- 代表的には胸鎖乳突筋の肥厚・短縮による先天性筋性斜頸が多い
- 頸部の可動域制限や顔面の非対称が認められる
- 画像検査により他疾患との鑑別が重要
病態・原因
最も頻度が高いのは先天性筋性斜頸で、出生時の分娩外傷や胎内での異常肢位により胸鎖乳突筋が損傷・短縮し発症する。その他、骨性異常、神経疾患、炎症や腫瘍なども原因となる。
主症状・身体所見
首が一側に傾き、頭部が反対側に回旋する。患側の胸鎖乳突筋の腫脹や索状物を触れることがあり、顔面や頭部の非対称、頸部の可動域制限が特徴的である。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 視診・触診 | 頸部傾斜、胸鎖乳突筋肥厚 | 乳児期は触診が有用 |
| 超音波検査 | 胸鎖乳突筋の肥厚・線維化 | 非侵襲的に筋の状態を評価 |
| X線・CT/MRI | 頸椎の骨性異常や腫瘍の有無 | 骨性斜頸や腫瘍性病変の鑑別 |
診断は臨床所見と画像検査を総合して行う。特に骨性異常や腫瘍、神経疾患との鑑別のため、画像検査が重要となる。
治療
- 第一選択:理学療法(ストレッチ・リハビリテーション)
- 補助療法:装具療法、家庭での自主訓練指導
- 注意点:保存療法無効例や重症例では手術適応を検討
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 頸椎椎間板ヘルニア | 神経症状(しびれ・筋力低下)を伴う | MRIで椎間板逸脱を確認 |
| 頸部脊椎症 | 高齢者に多く、慢性経過で進行 | X線で骨棘・椎間腔狭小化 |
| 反回神経麻痺 | 発声障害や嗄声を伴う | 喉頭鏡で声帯運動障害を確認 |
補足事項
早期発見・治療が顔面非対称や二次的な運動発達遅延の予防に重要である。保存療法で大半は改善するが、治療開始が遅れると手術適応となることがある。