先天性内反足
概要
先天性内反足は出生時から認められる足部の変形で、足が内側・下方に向き、歩行困難や運動機能障害の原因となる。発症頻度は新生児約1000人に1人とされ、男児にやや多い。早期治療が機能予後の改善に重要である。
要点
- 足部の内反・尖足・内転が特徴
- 早期の保存的治療が基本
- 放置すると歩行障害や変形が進行
病態・原因
胎児期の発育異常や遺伝的要因が関与し、足部の骨・関節・靱帯の構造異常によって発症する。単独発症が多いが、他の先天異常を伴うこともある。
主症状・身体所見
出生時から足が内側・下方に向き、踵が上がり、足底が内側を向く。足部の柔軟性が低く、矯正しにくいことが多い。歩行開始後はつま先歩行や歩行困難を呈する。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 視診・触診 | 足部の内反・尖足・内転 | 生下時から明らか、柔軟性評価 |
| X線検査 | 骨配列異常、距骨・踵骨の位置異常 | 重症度や治療効果判定に用いる |
臨床診断が基本であり、X線検査は骨の成熟や治療計画の参考となる。他の先天異常の有無も確認する。
治療
- 第一選択:Ponseti法などの保存的ギプス矯正
- 補助療法:装具療法、理学療法
- 注意点:早期治療の徹底、再発時の追加矯正や手術適応
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 斜頸 | 頚部の傾き主体、足変形なし | 頚部X線・超音波で評価 |
| 発育性股関節形成不全 | 股関節の可動域制限・下肢短縮 | 股関節X線で異常 |
| 先天性多発性関節拘縮 | 多関節の拘縮・変形 | 全身関節の診察・X線 |
補足事項
Ponseti法の普及により手術率が大幅に減少した。治療の遅れや不十分な矯正は再発や変形残存のリスクとなるため、定期的なフォローアップが重要である。