慢性肉芽腫症

概要

慢性肉芽腫症は、好中球やマクロファージの殺菌能障害による先天性免疫不全症の一つである。主に小児期に発症し、細菌や真菌による反復性・重症感染症を特徴とする。肉芽腫形成や慢性炎症が多臓器でみられる。

要点

  • 好中球の殺菌障害による先天性免疫不全症
  • 細菌・真菌感染症の反復・重症化が特徴
  • 肉芽腫形成による臓器障害も重要

病態・原因

NADPHオキシダーゼ複合体の遺伝的異常により、活性酸素種(ROS)の産生が障害される。これにより好中球やマクロファージの殺菌能が低下し、カタラーゼ陽性菌や真菌に対する易感染性となる。X連鎖性と常染色体劣性遺伝型がある。

主症状・身体所見

乳幼児期から反復性・難治性の肺炎、リンパ節炎、皮膚・肝・骨の膿瘍形成を認める。肉芽腫による消化管や尿路の閉塞症状もみられる。発熱や全身倦怠感、成長障害がしばしば伴う。

検査・診断

検査所見補足
ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)テスト還元反応陰性好中球の酸化的殺菌能評価
DHR(ジヒドロローダミン)フローサイトメトリー活性酸素産生低下NADPHオキシダーゼ活性の定量的評価
遺伝子検査病因遺伝子変異X連鎖性・常染色体劣性型の鑑別

DHRフローサイトメトリーは現在の標準検査であり、診断の確定には遺伝子検査が有用。画像検査では肺や肝臓の膿瘍、肉芽腫形成を認める。

治療

  • 第一選択:抗菌薬・抗真菌薬による感染予防および治療
  • 補助療法:インターフェロンγ投与、支持療法、造血幹細胞移植(重症例)
  • 注意点:感染予防の徹底、早期治療、ワクチン接種の適応に注意

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
重症複合型免疫不全症T細胞・B細胞も障害リンパ球数・免疫グロブリン低下
Chédiak-Higashi症候群巨大顆粒・出血傾向顆粒異常、出血傾向
無ガンマグロブリン血症B細胞障害主体免疫グロブリン著減

補足事項

治療抵抗性の感染症や肉芽腫による臓器障害が生命予後に影響する。近年は造血幹細胞移植による根治的治療も選択肢となっている。診断・治療の進歩により予後は改善傾向にある。

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