悪性外耳道炎

概要

悪性外耳道炎は、主に高齢者や糖尿病患者に発症する外耳道の重篤な細菌感染症である。進行すると頭蓋骨基底部や周囲組織へ波及し、生命を脅かすことがある。典型的な起因菌は緑膿菌である。

要点

  • 高齢者や糖尿病患者に多い重症外耳道感染症
  • 緑膿菌による骨への波及と難治性が特徴
  • 早期診断と長期抗菌薬治療が重要

病態・原因

悪性外耳道炎は、外耳道の小外傷や免疫低下を契機に緑膿菌などが感染し、軟部組織から骨組織(側頭骨)へと波及する。糖尿病や高齢、免疫抑制状態が主なリスク因子である。

主症状・身体所見

外耳道の激しい疼痛、耳漏、難聴が主症状で、夜間痛や顎の運動痛が特徴的である。進行例では顔面神経麻痺や頭蓋底神経障害を伴うことがある。

検査・診断

検査所見補足
耳鏡検査外耳道の腫脹・肉芽・耳漏局所の観察で診断の手がかり
培養検査緑膿菌の検出抗菌薬選択の参考
画像検査(CT/MRI)骨破壊・軟部組織炎症骨への波及評価

診断は臨床所見と画像検査所見、培養結果を総合して行う。CTやMRIで骨破壊や周囲組織への波及が確認されることが多い。

治療

  • 第一選択:抗緑膿菌用抗菌薬(ピペラシリン/タゾバクタム、セフタジジム等)の長期静注
  • 補助療法:糖尿病管理、疼痛対策、外耳道の清掃
  • 注意点:治療期間の長期化、再発や頭蓋内合併症への警戒

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
急性化膿性限局性外耳炎限局性で全身状態良好骨破壊なし、緑膿菌以外が多い
骨髄炎骨症状が主、耳症状乏しい外耳道所見なし、他部位に多い

補足事項

治療抵抗性例では外科的デブリードマンが検討される。糖尿病コントロール不良例では予後不良となる傾向がある。耳の慢性疾患患者では早期の精査が重要。

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