急性リンパ性白血病

概要

急性リンパ性白血病(ALL)は、リンパ系前駆細胞が腫瘍性に増殖する造血器悪性腫瘍であり、主に小児に多いが成人にも発症する。進行は急速で、治療しなければ急激に生命を脅かす。近年は化学療法や造血幹細胞移植により治癒率が向上している。

要点

  • 小児に多く発症し、急速な経過をたどる
  • 骨髄におけるリンパ系前駆細胞の異常増殖が本態
  • 化学療法・造血幹細胞移植が主な治療法

病態・原因

骨髄におけるB細胞またはT細胞系のリンパ系前駆細胞が腫瘍性に増殖し、正常造血が障害される。染色体異常(t(12;21)、t(9;22)など)や遺伝的素因、放射線・化学物質曝露がリスク因子とされる。

主症状・身体所見

発熱、易感染性、出血傾向(紫斑、点状出血)、貧血症状が出現する。リンパ節腫脹、肝脾腫、骨痛もみられる。中枢神経浸潤や精巣腫脹などの臓器浸潤がある場合もある。

検査・診断

検査所見補足
末梢血液検査白血球増加または減少、芽球出現汎血球減少や異常リンパ球を認める
骨髄穿刺検査芽球の増殖(20%以上)形態・免疫表現型・遺伝子検査も実施
免疫表現型解析B系またはT系マーカー陽性CD10, CD19, CD3など

診断は骨髄中芽球比率20%以上、免疫表現型解析、染色体・遺伝子異常の同定などを組み合わせて行う。画像検査で臓器浸潤の有無を評価する。

治療

  • 第一選択:多剤併用化学療法(寛解導入・地固め・維持療法)
  • 補助療法:支持療法(輸血、感染対策)、中枢神経予防療法
  • 注意点:再発例や高リスク例では造血幹細胞移植を考慮

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
急性骨髄性白血病芽球の形態・骨髄系マーカーMPO陽性、CD13/33陽性
慢性リンパ性白血病ゆっくり進行、高齢発症小型成熟リンパ球増加
悪性リンパ腫原発巣がリンパ節・腫瘤形成骨髄浸潤が主でない

補足事項

小児ALLは予後が良好で、寛解導入率・長期生存率ともに高い。一方、成人例や高リスク染色体異常例では治療抵抗性や再発が課題となる。治療合併症として感染症や腫瘍崩壊症候群にも注意が必要。

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