弾力線維性仮性黄色腫
概要
弾力線維性仮性黄色腫は、皮膚・眼・血管壁の弾性線維に異常な石灰沈着をきたす遺伝性疾患である。進行性に皮膚の黄白色の小結節、網膜や血管の病変が現れる。ABCC6遺伝子異常が主な原因とされる。
要点
- 皮膚・眼・血管の弾性線維に石灰沈着を生じる
- 皮膚の黄白色小結節と網膜・血管病変が特徴
- 常染色体劣性遺伝でABCC6遺伝子異常が主因
病態・原因
主にABCC6遺伝子の変異による常染色体劣性遺伝疾患で、弾性線維の変性と石灰沈着が皮膚・眼・血管壁に進行性に生じる。遺伝的素因が強く、家族歴を認める場合も多い。
主症状・身体所見
頚部や腋窩、鼠径部など屈曲部を中心に黄白色の小結節が多発し、皮膚がしわ状・網目状に変化する。眼では網膜Bruch膜の断裂(“angioid streaks”)を認め、血管病変による出血や動脈硬化が進行することもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 皮膚生検 | 弾性線維の断裂と石灰沈着 | エラスチカ・フォン・ギーソン染色等で確認 |
| 眼底検査 | 網膜のangioid streaks | 視覚障害のリスク評価に重要 |
| 遺伝子検査 | ABCC6遺伝子変異 | 確定診断や家族調査に有用 |
皮膚所見と組織学的変化、網膜所見の組み合わせが診断の鍵となる。遺伝子検査は確定診断や家族歴調査に役立つ。
治療
- 対症療法:皮膚症状や眼合併症への管理
- 眼合併症予防:定期的な眼科フォローとレーザー治療
- 心血管管理:動脈硬化や出血リスクの低減、生活習慣指導
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Werner症候群 | 早発性老化・白内障・糖尿病を伴う | 皮膚生検で弾性線維異常は目立たない |
| Ehlers-Danlos症候群 | 関節過伸展・皮膚過伸展 | コラーゲン線維異常が主体、石灰沈着なし |
補足事項
根本的治療法は確立していないが、合併症予防・管理が重要である。遺伝カウンセリングも推奨される。皮膚・眼・血管合併症の進行に注意が必要。