大動脈縮窄症

概要

大動脈縮窄症は、主に大動脈峡部に生じる大動脈の狭窄を特徴とする先天性心疾患である。出生後しばしば症状が現れ、未治療の場合は心不全や高血圧など重篤な合併症を引き起こす。小児から成人まで幅広い年齢で診断される。

要点

  • 大動脈峡部の狭窄による上肢高血圧と下肢低血圧が特徴
  • 合併症として心不全や脳血管障害をきたすことがある
  • 早期発見と外科的治療が予後改善に重要

病態・原因

大動脈縮窄症は胎生期の大動脈発生異常により、大動脈峡部(動脈管付近)に狭窄が生じる。狭窄部より近位側(上半身)には高血圧、遠位側(下半身)には低血圧が生じる。遺伝的素因や他の先天性心疾患の合併もみられる。

主症状・身体所見

新生児や乳児では心不全症状、成人では高血圧、頭痛、間欠性跛行がみられる。四肢の血圧差、上肢の高血圧、下肢の脈拍減弱、胸背部の収縮期雑音、側副血行路の発達による肋骨圧痕などが特徴的である。

検査・診断

検査所見補足
胸部X線肋骨圧痕、心拡大、側副血行路側副血行路の石灰化も参考
心エコー狭窄部位の確認、圧較差の計測非侵襲的に診断可能
CT/MRI狭窄部の形態評価、側副血行路の描出詳細な解剖評価に有用

診断は四肢血圧差や脈拍触知の差、心雑音などの身体所見に加え、心エコーやCT/MRIによる狭窄部の同定で行う。カテーテル検査で圧較差を測定することもある。

治療

  • 第一選択:外科的切除・吻合術または血管形成術(バルーン拡張術)
  • 補助療法:心不全や高血圧に対する薬物治療
  • 注意点:術後の再狭窄や高血圧の持続に注意し長期フォローが必要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
Marfan症候群解離や大動脈瘤を伴う長身・関節過伸展大動脈拡張・解離像
大動脈弁狭窄症狭窄音・脈圧減少・心雑音エコーで弁狭窄確認
動脈管開存症連続性雑音・肺高血圧エコーで動脈管流入確認

補足事項

成人発症例では高血圧治療目的で発見される場合も多く、術後も血圧管理が重要となる。再狭窄や側副血行路の発達による合併症に注意する。

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