単純性紫斑
概要
単純性紫斑は、主に四肢に生じる小出血斑が特徴の良性出血性疾患である。血小板や凝固因子の異常を伴わず、明らかな原因なく発症することが多い。日常生活に支障をきたすことは少なく、自然経過で改善する。
要点
- 四肢に点状紫斑が出現しやすい
- 血液検査で異常を認めない
- 基本的に治療不要で予後良好
病態・原因
単純性紫斑は毛細血管の脆弱性や外力による微細な血管損傷が関与すると考えられているが、明確な原因は特定されていない。基礎疾患や薬剤性、血液疾患の関与は否定されることが多い。
主症状・身体所見
主に下腿や前腕に点状または小斑状の紫斑が多発する。圧痛や腫脹、全身症状は伴わず、紫斑以外の出血傾向(鼻出血、歯肉出血など)は見られない。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | 血小板数・凝固系正常 | 血小板減少や凝固異常なし |
| 皮膚生検 | 毛細血管周囲の軽度出血像 | 必要な場合に施行 |
血液学的異常がないこと、紫斑以外の症状がないことが診断の前提となる。鑑別のために基礎疾患や薬剤歴の聴取、必要に応じて皮膚生検を行う。
治療
- 第一選択:特別な治療は不要
- 補助療法:紫斑部の安静や圧迫回避
- 注意点:出血傾向や全身症状が出現した場合は再評価
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 特発性血小板減少性紫斑病 | 紫斑以外に出血傾向・血小板減少 | 血小板数低下 |
| 老人性紫斑病 | 高齢者・手背など露出部位に大きな紫斑 | 皮膚菲薄化、加齢が背景 |
補足事項
紫斑が再発する場合や全身症状を伴う場合は、他の出血性疾患や膠原病、血管炎などの除外が重要となる。安易に診断せず慎重な経過観察が求められる。