児頭骨盤不均衡
概要
児頭骨盤不均衡(CPD)は、胎児の頭部と母体の骨盤の大きさや形状の不一致により、経腟分娩が困難または不可能となる状態を指す。分娩進行の遅延や停止の主な原因の一つであり、母児ともにリスクが高まる。
要点
- 児頭と骨盤のサイズ・形状の不一致が原因
- 分娩進行障害や遷延分娩の主因となる
- 帝王切開が必要となることが多い
病態・原因
児頭骨盤不均衡は、胎児の頭部が大きい、または母体骨盤が狭い・変形している場合に発生する。骨盤の形態異常や巨大児、多胎妊娠、胎位異常などがリスク因子となる。
主症状・身体所見
分娩進行の遅延や停止、微弱陣痛、児頭の下降不良がみられる。内診で児頭の進入不良、浮動感、骨盤入口部での嵌入障害が特徴的である。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 産科的内診 | 児頭の進入不良・浮動 | 骨盤入口部での嵌入障害を確認 |
| 骨盤計測(X線/CT/MRI) | 骨盤径の狭小化や異常 | 骨盤の形態異常や狭骨盤の評価 |
| 超音波検査 | 胎児推定体重・頭囲 | 巨大児や胎位異常の評価 |
分娩経過の観察や内診所見、画像検査による骨盤径・児頭サイズの評価を総合して診断する。分娩進行の停滞や遷延、児頭の下降障害が診断の決め手となる。
治療
- 第一選択:適応があれば帝王切開
- 補助療法:分娩監視・母体全身管理
- 注意点:経腟分娩への固執は母児リスク増大
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 微弱陣痛 | 子宮収縮力の低下 | 陣痛モニタリングで収縮弱い |
| 胎位異常 | 児頭以外が先進部 | 超音波で胎位確認 |
補足事項
児頭骨盤不均衡は分娩経過中に判明することが多く、予防的な診断は難しい。骨盤計測や超音波による胎児推定体重評価が重要であるが、臨床的判断が最も重視される。