偽性副甲状腺機能低下症
概要
偽性副甲状腺機能低下症は、副甲状腺ホルモン(PTH)が十分に分泌されているにもかかわらず、標的臓器のPTH受容体の異常によりPTHの作用が発揮されず、低カルシウム血症や高リン血症を呈する疾患である。遺伝性であり、骨や軟部組織の異常を伴うことがある。
要点
- PTH抵抗性により低カルシウム血症・高リン血症をきたす
- Albright遺伝性骨異栄養症を合併することがある
- 血中PTHは高値を示すが症状は副甲状腺機能低下症に類似
病態・原因
GNAS遺伝子異常によるPTH受容体のシグナル伝達障害が主な原因であり、PTHの分泌自体は正常または増加しているが、腎臓や骨などの標的臓器がホルモンに反応しない。常染色体優性遺伝形式が多い。
主症状・身体所見
低カルシウム血症によるテタニー、筋痙攣、しびれ、けいれん発作などがみられる。Albright遺伝性骨異栄養症では短指症、肥満、知的障害なども認められることがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血清カルシウム | 低値 | 低カルシウム血症 |
| 血清リン | 高値 | 高リン血症 |
| 血中PTH | 高値 | 反応性上昇 |
| 尿中cAMP | 低値 | PTH投与後にも増加しない |
血液検査で低カルシウム血症、高リン血症、PTH高値を認める。尿中cAMPの反応性低下が診断のポイントとなる。骨X線で骨異栄養症の所見を認める場合がある。
治療
- 第一選択:活性型ビタミンD3製剤、カルシウム補充
- 補助療法:食事管理、低リン食
- 注意点:過剰なカルシウム投与による高カルシウム血症に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 特発性副甲状腺機能低下症 | PTHも低値 | PTH低値、尿中cAMP正常 |
| くる病 | 骨変化が主体、PTH正常~高値 | 低カルシウム血症だがリンは低値 |
補足事項
偽性副甲状腺機能低下症はサブタイプが複数あり、臨床像や遺伝形式が異なる。Albright遺伝性骨異栄養症の有無やホルモン抵抗性の範囲によって分類される。家族歴の聴取も重要。