乳房外Paget病

概要

乳房外Paget病は、乳房以外の外陰部や肛門、腋窩などの皮膚に発生する表皮内腺癌である。高齢者に多く、慢性的な湿疹や掻痒を呈するが、難治性で再発しやすい。基礎疾患として内部悪性腫瘍を合併することもある。

要点

  • 皮膚の慢性湿疹様病変として発症する腺癌
  • 高齢者の外陰部や肛門周囲に好発
  • 内臓悪性腫瘍の合併に注意が必要

病態・原因

乳房外Paget病は、表皮内腺癌であり、汗腺や皮脂腺、外陰部や肛門周囲の皮膚腺由来の悪性腫瘍である。しばしば基礎に直腸癌や膀胱癌など内部悪性腫瘍を伴うことがある。

主症状・身体所見

外陰部や肛門、腋窩などに限局する紅斑、びらん、鱗屑を伴う慢性湿疹様病変がみられる。強い掻痒や疼痛を訴えることが多く、しばしば難治性である。

検査・診断

検査所見補足
皮膚生検Paget細胞の検出大型で淡明な腫瘍細胞
免疫染色CK7陽性、CEA陽性内臓腫瘍との鑑別に有用
画像検査内臓悪性腫瘍の有無を評価CT、MRI、超音波など

皮膚生検で大型のPaget細胞を認め、免疫染色でCK7やCEA陽性が診断の根拠となる。内部悪性腫瘍の合併を評価するために腹部骨盤CTや内視鏡検査を行う。

治療

  • 第一選択:外科的切除(広範切除)
  • 補助療法:放射線療法、局所化学療法
  • 注意点:再発率が高く、定期的な経過観察と内部悪性腫瘍の検索が重要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
Bowen病表皮内有棘細胞癌、湿疹様変化Paget細胞は認めない
湿疹・皮膚炎掻痒・紅斑・鱗屑、良性経過腫瘍細胞なし、改善しやすい
有棘細胞癌潰瘍や腫瘤形成、浸潤傾向真皮浸潤性の腫瘍細胞

補足事項

乳房外Paget病はしばしば診断が遅れやすく、難治性で再発率も高い。内部悪性腫瘍の合併に常に注意し、長期の経過観察が推奨される。

関連疾患