下腿骨骨幹部骨折
概要
下腿骨骨幹部骨折は脛骨および/または腓骨の骨幹部に生じる骨折であり、交通事故や転倒などの高エネルギー外傷や、スポーツ外傷などが原因となる。成人から小児まで幅広い年齢層で発生し、治療には整復や固定が必要となる。合併症としてコンパートメント症候群や偽関節などが問題となる。
要点
- 脛骨・腓骨いずれかまたは両方の骨幹部に発生
- 高エネルギー外傷が主な原因
- コンパートメント症候群などの合併症に注意
病態・原因
主に交通事故や転落、スポーツ外傷などの高エネルギー外傷により発生する。骨粗鬆症などの基礎疾患がある場合、低エネルギー外傷でも起こりうる。開放骨折や多発外傷を伴うことも多い。
主症状・身体所見
患部の疼痛・腫脹・変形・異常可動性がみられ、荷重不能となる。開放骨折の場合は創部から骨片が露出することもある。神経・血管損傷やコンパートメント症候群の徴候(激痛、蒼白、感覚障害など)に注意する。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| X線検査 | 骨折線、骨片の転位や短縮 | 標準的診断法 |
| CT/MRI | 骨折の詳細評価、合併損傷の確認 | 関節内骨折や多発外傷時に有用 |
X線で骨折部位・転位の有無や程度を評価し、関節内骨折や複雑骨折、軟部組織損傷が疑われる場合はCTやMRIを追加する。開放骨折ではGustilo-Anderson分類による重症度評価も行う。
治療
- 第一選択:観血的整復固定術(髄内釘、プレート)または保存的ギプス固定
- 補助療法:リハビリテーション、疼痛管理、感染予防
- 注意点:コンパートメント症候群や偽関節の早期発見・対応
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 大腿骨頸部骨折 | 股関節部の疼痛・短縮・外旋 | 股関節X線で骨折確認 |
| 膝蓋骨骨折 | 膝前面の疼痛・膝伸展不能 | 膝X線で骨折像 |
| 足関節骨折 | 足関節部の腫脹・変形 | 足関節X線で骨折像 |
補足事項
小児では骨端線損傷や成長障害に注意が必要。開放骨折例では感染管理が極めて重要であり、早期のデブリードマンと抗菌薬投与が推奨される。治癒遅延や偽関節形成例では追加手術が必要となる場合がある。