下垂体性無月経

概要

下垂体性無月経は、下垂体の機能障害により性腺刺激ホルモン(FSH・LH)の分泌が低下し、卵巣機能が抑制されて月経が停止する疾患である。多くはSheehan症候群や下垂体腺腫、外傷、自己免疫性疾患などが原因となる。第二次性徴の消失や不妊の原因としても重要である。

要点

  • 下垂体ホルモン分泌障害による無月経
  • 原因として腫瘍・外傷・自己免疫など多彩
  • 他の下垂体機能低下症状を伴うことが多い

病態・原因

下垂体前葉の機能障害によりFSH・LHの分泌が低下し、卵巣機能が抑制される。主な原因は下垂体腺腫、Sheehan症候群(分娩時大量出血による下垂体壊死)、外傷、リンパ球性下垂体炎、放射線治療、自己免疫疾患などである。

主症状・身体所見

主症状は無月経であり、続発性無月経として発症することが多い。乳汁分泌や体毛減少、性欲低下、無排卵性不妊、全身倦怠感、低血圧、甲状腺機能低下症状など他の下垂体機能低下症状を伴う場合もある。

検査・診断

検査所見補足
血中FSH・LH測定低値ゴナドトロピン低下が特徴的
頭部MRI下垂体の腫瘍や萎縮腫瘍・炎症・壊死の評価
他下垂体ホルモン測定他ホルモンも低下汎下垂体機能低下の有無

血中FSH・LHの低値とエストロゲン低値、MRIによる下垂体病変の確認が診断の鍵となる。他の下垂体ホルモン(ACTH、TSH、GH、PRLなど)も評価し、汎下垂体機能低下症との鑑別を行う。

治療

  • 第一選択:ゴナドトロピン補充療法またはエストロゲン・プロゲステロン補充
  • 補助療法:他の下垂体ホルモン補充(副腎皮質・甲状腺ホルモンなど)、不妊治療
  • 注意点:原疾患治療(腫瘍摘出など)、骨粗鬆症予防、長期管理

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
視床下部性無月経ストレス・体重減少・過度運動歴GnRH負荷で反応性あり
卵巣性無月経高FSH・LH、低エストロゲンゴナドトロピン高値
子宮性無月経器質的子宮障害ホルモン値は正常

補足事項

下垂体性無月経は他の下垂体機能低下症状を見逃さないことが重要であり、早期診断・治療が患者のQOL維持に直結する。原疾患の治療とホルモン補充のバランスが重要である。

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