上腕骨外側上顆炎
概要
上腕骨外側上顆炎は、肘関節外側の上腕骨外側上顆部に発症する腱付着部炎で、主に前腕伸筋群の過使用が原因となる。テニス肘とも呼ばれ、中年以降に多くみられる。手関節の伸展・回外運動の繰り返し動作が誘因となることが多い。
要点
- 前腕伸筋群の使いすぎによる腱付着部炎
- 肘外側の圧痛と運動時痛が主症状
- 保存的治療が基本で予後良好
病態・原因
主に手関節伸展や回外運動の繰り返しによる前腕伸筋群(特に短橈側手根伸筋)の腱付着部に微小損傷が生じて炎症を起こす。ラケットスポーツや反復動作を伴う作業がリスク因子となる。
主症状・身体所見
肘外側の圧痛、物を持ち上げる・手首を反らす動作での痛みが特徴。握力の低下や疼痛性可動域制限を伴うことがある。Thomsenテストや中指伸展テストで疼痛誘発がみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| X線検査 | 多くは異常なし | 他疾患の除外目的 |
| 超音波検査 | 腱付着部の肥厚・低エコー域 | 炎症や微小断裂の評価 |
| MRI | 腱の腫脹・信号増加 | 難治例や鑑別時に有用 |
臨床症状と誘発テストにより診断されるが、画像検査は鑑別や重症例で補助的に用いる。骨折や関節内病変の除外も重要。
治療
- 第一選択:安静・局所冷却・消炎鎮痛薬・装具(バンド)使用
- 補助療法:ストレッチ・物理療法・ステロイド局所注射
- 注意点:過度な注射や無理な運動再開は悪化リスク
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 肘関節内障害 | 関節内水腫や可動域制限 | X線・MRIで関節内異常 |
| 橈骨神経障害 | 感覚障害や筋力低下を伴う | 神経伝導検査で異常 |
補足事項
再発予防には作業・スポーツ動作の見直しや筋力強化が重要。難治例では手術適応も考慮される。職業性障害の一因としても認識される。