ポリープ様声帯
概要
ポリープ様声帯は、声帯の粘膜下に浮腫が生じ、声帯が腫大・膨隆する良性疾患である。主に喫煙や声の酷使が原因となり、発声障害を引き起こす。女性中高年に多く、慢性的な嗄声が主症状となる。
要点
- 声帯粘膜下の浮腫性変化による声帯の腫大
- 喫煙や声の酷使が主なリスク因子
- 嗄声(声がれ)が最も特徴的な症状
病態・原因
声帯の粘膜下組織に慢性的な炎症や刺激が加わることで、血管透過性が亢進し浮腫が形成される。主なリスク因子は長期の喫煙、声の酷使、慢性的な咽喉頭炎などである。女性に多く発症し、特に更年期以降での発症が目立つ。
主症状・身体所見
主症状は嗄声であり、進行すると声が低く太くなる。発声時の息漏れや声のかすれがみられる。喉頭ファイバースコープでは両側声帯が腫大し、ゼリー状に膨隆した外観が特徴的である。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 喉頭ファイバースコピー | 声帯両側の浮腫性腫大、ゼリー状の膨隆 | 最も重要な診断法 |
| ストロボスコピー | 声帯振動の障害、振動幅の拡大・非対称性 | 振動特性の詳細評価 |
喉頭ファイバースコピーでの両側声帯の浮腫性腫大所見が診断の決め手となる。画像所見では声帯が厚く、光沢のある外観を呈する。声帯ポリープや喉頭癌との鑑別が重要である。
治療
- 第一選択:喫煙中止と声の安静、生活指導
- 補助療法:薬物療法(抗炎症薬)、音声治療(リハビリテーション)
- 注意点:重症例や保存療法無効例では外科的切除を検討
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 声帯ポリープ | 通常片側性、限局性腫瘤 | 単発性腫瘤、浮腫は限定的 |
| 喉頭癌 | 声帯の不整な腫瘍性病変、血性分泌 | 生検で悪性細胞の証明 |
補足事項
早期の生活習慣改善が予後に大きく影響する。保存療法で改善しない場合は外科的切除が有効であるが、再発予防のため術後も禁煙・声帯負担軽減が必要である。音声障害の程度により治療方針を個別化する。