ペラグラ

概要

ペラグラはナイアシン(ビタミンB3)欠乏により発症する疾患で、皮膚・消化管・神経系に特徴的な症状を呈する。発展途上国や慢性アルコール依存症、吸収不良症候群などで発症しやすい。典型的な「3D症状(皮膚炎、下痢、認知障害)」が特徴である。

要点

  • ナイアシン欠乏が主因となる栄養障害
  • 皮膚炎・下痢・認知障害の三徴が特徴
  • 早期治療で予後良好だが、進行例は致死的

病態・原因

主な原因はナイアシン摂取不足、トリプトファン代謝障害、または吸収不良である。アルコール依存症、慢性消化管疾患、偏った食生活(トウモロコシ主体の食事)などがリスク因子となる。

主症状・身体所見

日光露出部に対称性の皮膚炎(紅斑、色素沈着、鱗屑)、消化器症状として下痢や口内炎、神経症状として抑うつ・認知障害・錯乱などがみられる。進行すると意識障害や昏睡に至ることもある。

検査・診断

検査所見補足
血中ナイアシン濃度低値直接測定は困難なことも多い
尿中N-メチルニコチンアミド低値代謝産物の減少で欠乏を示唆
皮膚生検表皮の海綿状変化、壊死特異的ではないが診断補助となる

臨床的には皮膚炎・下痢・認知障害の3主徴の有無、リスク因子、食事歴などから診断を行う。確定診断にはナイアシン補充による症状改善も参考となる。

治療

  • 第一選択:ナイアシン(ニコチン酸/ニコチンアミド)補充
  • 補助療法:バランスの取れた栄養補給、消化器症状・皮膚症状への対症療法
  • 注意点:アルコール制限、原因疾患(吸収不良など)の治療も重要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
ビタミンB1欠乏症末梢神経障害・心不全が主、皮膚症状は乏しい血中B1低値、ナイアシン正常
クワシオルコル・マラスムス浮腫や全身性低栄養、皮膚症状は非特異的総蛋白・アルブミン低値

補足事項

ペラグラは先進国では稀だが、慢性アルコール依存症や吸収不良症候群、食事障害患者では注意が必要。治療開始が遅れると不可逆的な神経障害を残すことがある。

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