ビタミンC欠乏症

概要

ビタミンC欠乏症は、アスコルビン酸(ビタミンC)の摂取不足により生じる疾患で、壊血病を主徴とする。結合組織の異常、出血傾向、創傷治癒遅延などが特徴である。慢性的な栄養障害や消化管疾患、アルコール依存症などがリスクとなる。

要点

  • アスコルビン酸の欠乏により壊血病を発症
  • 歯肉出血や皮下出血、易感染性が主な症状
  • 早期診断とビタミンC補充が治療の基本

病態・原因

ビタミンCはコラーゲン合成や抗酸化作用に必須であり、体内で合成できないため食事からの摂取が必要。摂取不足、吸収障害、需要増大などが欠乏の主な原因となる。慢性的な低栄養やアルコール依存、消化管手術後などで発症しやすい。

主症状・身体所見

歯肉出血、歯肉腫脹、皮下出血、紫斑、関節痛、易感染性、創傷治癒遅延が特徴的。小児では骨端線異常や骨痛も認められる。重症例では貧血や全身倦怠感もみられる。

検査・診断

検査所見補足
血清ビタミンC濃度低値診断の決め手
末梢血液検査貧血、白血球減少二次的変化
凝固系検査正常または軽度異常出血傾向の鑑別に有用

血清アスコルビン酸値の低下が診断の根拠となる。臨床症状と食事歴の聴取も重要。画像検査では骨端線の異常や骨膜下出血がみられる場合がある。

治療

  • 第一選択:ビタミンC経口または静脈内投与
  • 補助療法:栄養指導、基礎疾患の治療、感染予防
  • 注意点:急速な補充での副作用に注意、再発予防のための継続的な栄養管理

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
鉄欠乏性貧血顕著な貧血・舌炎・爪の変化フェリチン低下、血清鉄低下
ビタミンK欠乏症出血傾向だが主に凝固異常PT・APTT延長、ビタミンK低下
血小板減少性紫斑病皮下出血が主体血小板数低下

補足事項

壊血病は歴史的には長期航海者に多発したが、現代でも高齢者や偏食、小児、アルコール依存症患者などで散見される。早期発見・治療により予後は良好であるが、放置すると致死的となる場合がある。

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