ウイルス性肺炎

概要

ウイルス性肺炎は、ウイルス感染を原因とする肺実質の炎症性疾患であり、インフルエンザウイルスやRSウイルス、新型コロナウイルスなど多様なウイルスが原因となる。細菌性肺炎に比べて症状が比較的軽度なことも多いが、高齢者や基礎疾患を有する患者では重症化することがある。流行状況や疫学的背景も診断・治療に重要な情報となる。

要点

  • ウイルス感染による肺実質の炎症が主体
  • 症状や画像所見は非特異的なことが多い
  • 重症例では呼吸不全や二次感染に注意

病態・原因

主な原因ウイルスはインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)などで、飛沫感染や接触感染により伝播する。ウイルスが気道上皮細胞に感染・増殖し、免疫応答を介して炎症が波及する。

主症状・身体所見

発熱、咳嗽、咽頭痛、全身倦怠感などがみられ、呼吸困難や胸痛を伴うこともある。細菌性肺炎に比べて痰の量は少なく、しばしば乾性咳嗽が特徴的である。重症例では呼吸不全や意識障害が出現する。

検査・診断

検査所見補足
胸部X線/CTびまん性浸潤影、すりガラス影細菌性肺炎よりも非区域性、両側性が多い
ウイルス核酸検出(PCR等)特定ウイルスの遺伝子検出咽頭・鼻咽頭ぬぐい液、喀痰等で実施
血液検査白血球正常~軽度増加、CRP軽度上昇重症例では炎症反応高値となることも

画像所見は両側性のすりガラス影や浸潤影が多く、細菌性肺炎と鑑別困難な場合もある。ウイルス核酸検出(PCR等)が確定診断に有用であり、流行状況や疫学情報も参考となる。

治療

  • 第一選択:原因ウイルスに対する抗ウイルス薬(例:オセルタミビル、レムデシビルなど)
  • 補助療法:酸素投与、対症療法(解熱、鎮咳)、水分・栄養管理
  • 注意点:細菌の二次感染や重症化の早期発見、感染対策の徹底

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
細菌性肺炎発症が急性、膿性痰が多い白血球・CRP高値、区域性浸潤影
マイコプラズマ肺炎若年者に多く、乾性咳嗽が持続抗体価上昇、胸部X線で小葉中心性陰影

補足事項

高齢者や免疫不全患者では重症化しやすく、早期の診断と治療が重要である。新興ウイルス(例:新型コロナウイルス)による流行時は、院内感染対策や公衆衛生的対応も不可欠となる。

関連疾患