長時間作用性β2刺激薬(LABA)
概要
長時間作用性β2刺激薬(LABA)は、気管支平滑筋のβ2受容体を刺激して気管支拡張作用を発揮する薬剤群である。主に気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の長期管理に用いられる。短時間作用型と比較して効果の持続時間が長いことが特徴である。
要点
- 気管支平滑筋のβ2受容体刺激による長時間の気管支拡張作用を持つ
- 主に気管支喘息やCOPDの維持療法に使用される
- 単剤使用は原則禁忌で、吸入ステロイド薬との併用が推奨される
薬理作用・機序
LABAは気管支平滑筋のβ2アドレナリン受容体を選択的に刺激し、アデニル酸シクラーゼ活性化を介してcAMP濃度を上昇させることで、気管支平滑筋の弛緩と気道拡張をもたらす。作用発現は比較的速やかで、効果は12時間以上持続する。
禁忌・副作用
単剤での使用は喘息死リスク増加のため禁忌とされ、必ず吸入ステロイド薬と併用する。副作用として動悸、頻脈、振戦、低カリウム血症、不整脈などがある。心疾患や甲状腺機能亢進症患者では慎重投与が必要である。
適応疾患
| 疾患 | 薬理作用 | 補足 |
|---|---|---|
| 気管支喘息 | 気管支拡張 | 吸入ステロイド薬との併用 |
| 慢性閉塞性肺疾患(COPD) | 気管支拡張 | 単剤または他剤との併用 |
気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の慢性管理に用いられ、気道閉塞や気流制限による呼吸困難や喘鳴などの症状のコントロールを目的とする。急性増悪時の救急薬としては用いない。
薬品例
| 薬品名 | 主に使われるケース |
|---|---|
| サルメテロールキシナホ酸塩 | 気管支喘息、COPDの維持療法 |
| ホルモテロールフマル酸塩 | 気管支喘息、COPDの維持療法 |
| インダカテロールマレイン酸塩 | COPDの維持療法 |
| ビランテロールトリフェニル酢酸塩 | COPDの維持療法 |
補足事項
LABAは吸入ステロイド薬との併用で喘息死リスクを低減できるため、必ず併用療法が推奨される。COPDでは単剤使用も認められるが、症状や増悪リスクに応じて他剤との併用が選択される。日本では経口剤や貼付剤は承認されていない。