肝庇護薬
概要
肝庇護薬は肝細胞の障害を抑制し、肝機能の改善や維持を目的とする薬剤群である。主に慢性肝疾患や肝炎、薬剤性肝障害などで補助的に用いられる。作用機序や適応は薬剤ごとに異なるが、肝細胞保護や抗酸化作用などを有する。
要点
- 肝細胞障害の進行抑制や肝機能改善を目的とする
- 慢性肝炎や肝硬変、薬剤性肝障害などで使用される
- 薬剤ごとに作用機序やエビデンスに差がある
薬理作用・機序
肝庇護薬は肝細胞膜の安定化、抗酸化作用、ミトコンドリア機能の保護、肝細胞再生促進など多様な作用を有する。ウルソデオキシコール酸は胆汁うっ滞の改善や肝細胞保護作用を示し、グリチルリチン製剤は抗炎症作用や肝細胞障害の抑制に寄与する。
禁忌・副作用
薬剤により禁忌や副作用は異なるが、ウルソデオキシコール酸では胆管閉塞や重度の肝不全例で禁忌となる。グリチルリチン製剤では偽アルドステロン症(低カリウム血症、高血圧)に注意が必要。その他、過敏症や消化器症状などがみられることがある。
適応疾患
| 疾患 | 薬理作用 | 補足 |
|---|---|---|
| 慢性肝炎 | 肝細胞保護 | ウイルス性・非ウイルス性問わず適応 |
| 肝硬変 | 肝機能維持・改善 | 進行抑制・症状緩和目的 |
| 薬剤性肝障害 | 肝細胞保護 | 肝障害発症時の補助療法 |
| 原発性胆汁性胆管炎 | 胆汁うっ滞改善 | ウルソデオキシコール酸が適応 |
慢性肝炎や肝硬変、薬剤性肝障害、胆汁うっ滞性肝疾患などで肝細胞障害の進行抑制や肝機能改善を目的に使用される。適応は薬剤ごとに異なるため、疾患の病態や重症度に応じて選択される。
薬品例
| 薬品名 | 主に使われるケース |
|---|---|
| ウルソデオキシコール酸(ウルソ) | 原発性胆汁性胆管炎、慢性肝疾患 |
| グリチルリチン製剤(強力ネオミノファーゲンC) | 慢性肝炎、薬剤性肝障害 |
| アデフォビルピボキシル | B型肝炎ウイルス感染症 |
補足事項
肝庇護薬の有効性は疾患や病態により異なり、根本的治療薬ではない。近年はエビデンスに基づく使用が推奨され、特定の慢性肝疾患や胆汁うっ滞性疾患での適応が明確化されている。