テトラサイクリン系抗菌薬

概要

テトラサイクリン系抗菌薬は、広範囲の細菌に有効な抗生物質であり、主に細菌のタンパク合成阻害を介して作用する。マイコプラズマやクラミジアなど非定型細菌にも有効で、皮膚感染症や呼吸器感染症など多様な疾患に使用される。

要点

  • 細菌のリボソームに結合しタンパク合成を阻害する
  • マイコプラズマ肺炎や皮膚感染症など幅広い適応
  • 耐性菌や副作用に注意が必要

薬理作用・機序

テトラサイクリン系抗菌薬は細菌の30Sリボソームサブユニットに結合し、アミノアシルtRNAの結合を阻害することでタンパク合成を抑制する。これにより細菌の増殖を静止させる静菌的作用を示す。

禁忌・副作用

妊婦や8歳未満の小児には歯牙着色や骨発育障害のリスクがあるため禁忌とされる。主な副作用は消化器症状(悪心・嘔吐・下痢)、光線過敏症、アレルギー反応などであり、長期投与では耐性菌や二次感染の発生にも注意が必要である。

適応疾患

疾患薬理作用補足
マイコプラズマ肺炎タンパク合成阻害非定型肺炎に有効
ニキビ(尋常性ざ瘡)抗菌・抗炎症作用皮膚科領域で頻用
クラミジア感染症タンパク合成阻害性感染症にも適応
リケッチア感染症タンパク合成阻害ツツガムシ病などで使用

呼吸器感染症、皮膚感染症、性感染症、リケッチア感染症など、グラム陽性・陰性菌の一部や非定型細菌による感染症に広く用いられる。特にマイコプラズマやクラミジア、リケッチア属に対して第一選択となることが多い。

薬品例

薬品名主に使われるケース
ミノサイクリンニキビ、皮膚感染症、呼吸器感染症
ドキシサイクリンマイコプラズマ肺炎、クラミジア感染症
テトラサイクリンリケッチア感染症、皮膚感染症

補足事項

耐性菌の増加や副作用の観点から、適応や投与期間の適正化が重要となる。牛乳や制酸薬との併用で吸収が阻害されるため、服薬指導にも注意を要する。

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