赤血球造血刺激因子(ESA)製剤

概要

赤血球造血刺激因子(ESA)製剤は、主に腎性貧血などにおいて赤血球の産生を促進するために用いられる生物学的製剤である。エリスロポエチンの作用を模倣し、骨髄での赤血球分化・増殖を刺激する。慢性腎臓病患者の貧血管理に不可欠な治療薬群である。

要点

  • 腎性貧血や慢性腎臓病に伴う貧血治療の第一選択薬
  • エリスロポエチン受容体を介して赤血球産生を促進
  • 過剰投与で高血圧や血栓症などの副作用に注意

薬理作用・機序

ESA製剤はエリスロポエチン受容体に結合し、骨髄における赤血球系前駆細胞の増殖・分化を促進する。これにより末梢血中の赤血球数が増加し、貧血の改善が得られる。

禁忌・副作用

コントロール困難な高血圧症や未治療の鉄欠乏症には禁忌である。主な副作用は高血圧、血栓症、頭痛、インフルエンザ様症状などが挙げられる。赤血球増加による血液粘稠度上昇に注意が必要である。

適応疾患

疾患薬理作用補足
腎性貧血赤血球産生促進慢性腎臓病に伴う貧血
化学療法関連貧血赤血球産生促進がん化学療法時の貧血

ESA製剤は主に慢性腎臓病や透析患者の腎性貧血に対して使用されるほか、がん化学療法に伴う貧血にも適応される。鉄欠乏やビタミン不足など他の原因による貧血には効果が限定的である。

薬品例

薬品名主に使われるケース
エポエチンアルファ慢性腎臓病の腎性貧血
ダルベポエチンアルファ透析患者の腎性貧血
ミルセラ(エポエチンベータペゴル)長期作用型、慢性腎臓病の腎性貧血

補足事項

ESA製剤使用時は、鉄剤補充や適切な目標ヘモグロビン値の設定が重要となる。近年、長時間作用型製剤の登場により投与間隔の延長が可能となっている。

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