成長ホルモン製剤

概要

成長ホルモン製剤は、ヒト成長ホルモン(GH)の欠乏や分泌不全に対して補充療法として用いられる薬剤群である。主に小児の低身長症や成人の成長ホルモン分泌不全症に適応がある。骨や筋肉の成長促進、代謝調整作用を持つ。

要点

  • ヒト成長ホルモンの補充により成長促進や代謝改善を図る
  • 小児・成人の成長ホルモン分泌不全症に適応
  • 長期投与時の副作用や腫瘍発生リスクに注意が必要

薬理作用・機序

成長ホルモン製剤は、下垂体前葉から分泌される生理的成長ホルモンと同様に、肝臓などでインスリン様成長因子-1(IGF-1)の産生を促進し、骨や筋肉の成長、タンパク質合成、脂肪分解、糖代謝の調節など多様な生理作用を発揮する。

禁忌・副作用

悪性腫瘍の既往や活動性腫瘍、急性重篤疾患(重症感染症、急性呼吸不全など)では禁忌となる。副作用としては浮腫、関節痛、頭蓋内圧亢進症状、耐糖能異常、進行性側弯症などが報告されている。長期投与時には腫瘍発生リスクにも留意する必要がある。

適応疾患

疾患薬理作用補足
成長ホルモン分泌不全性低身長症成長促進小児・成人両方に適応
下垂体前葉ホルモン単独欠損症成長促進・代謝調節多くは小児期に発症
汎下垂体機能低下症成長促進・全身代謝調節他のホルモン補充と併用

成長ホルモン製剤は、主に成長ホルモン分泌不全による低身長や成長障害、下垂体疾患に伴う成長障害、また成人の成長ホルモン欠乏症に対して用いられる。原因となる疾患や症候群に応じて投与が検討される。

薬品例

薬品名主に使われるケース
ソマトロピン(ヒト成長ホルモン製剤)小児の成長ホルモン分泌不全性低身長症、成人の成長ホルモン欠乏症
ソマトロゴン小児の成長ホルモン分泌不全性低身長症

補足事項

成長ホルモン製剤の投与は、専門医の診断と厳密なモニタリングのもとで行う必要がある。投与中は成長速度、骨年齢、IGF-1値などを定期的に評価し、過剰投与や副作用の早期発見に努める。

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