ビスホスホネート製剤
概要
ビスホスホネート製剤は、骨吸収を抑制することにより骨密度低下を防ぐ薬剤群である。主に骨粗鬆症や骨代謝異常疾患の治療に用いられる。骨への高い親和性と長い骨中残存性が特徴である。
要点
- 破骨細胞による骨吸収を強力に抑制する
- 骨粗鬆症や悪性腫瘍に伴う骨病変に適応
- 消化管障害や顎骨壊死などの副作用に注意
薬理作用・機序
ビスホスホネート製剤は骨表面に結合し、破骨細胞による骨吸収を抑制する。特に第二世代以降は破骨細胞内でメバロン酸経路を阻害し、破骨細胞の機能低下やアポトーシス誘導をもたらす。
禁忌・副作用
重度の腎障害患者や低カルシウム血症の患者には禁忌となる。主な副作用は消化管障害(食道炎、胃炎、潰瘍)、低カルシウム血症、まれに顎骨壊死や非定型大腿骨骨折が報告されている。
適応疾患
| 疾患 | 薬理作用 | 補足 |
|---|---|---|
| 骨粗鬆症 | 骨吸収抑制 | 原発性・続発性いずれも対象 |
| 骨Paget病 | 異常骨吸収抑制 | 骨変形や疼痛の改善 |
| 多発性骨髄腫 | 骨破壊抑制 | 骨関連事象の予防 |
| 悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症 | 血中Ca低下 | 緊急時の治療に用いる |
骨粗鬆症をはじめとした骨代謝異常疾患や、悪性腫瘍に伴う骨病変・高カルシウム血症に対して広く使用される。骨吸収の亢進が病態の中心となる疾患に有効である。
薬品例
| 薬品名 | 主に使われるケース |
|---|---|
| アレンドロン酸 | 骨粗鬆症 |
| リセドロン酸 | 骨粗鬆症、骨Paget病 |
| イバンドロン酸 | 骨粗鬆症 |
| ゾレドロン酸 | 多発性骨髄腫、悪性腫瘍骨転移 |
| ミノドロン酸 | 骨粗鬆症 |
補足事項
服用時は多量の水とともに内服し、服用後30分以上は横にならないなど、消化管障害予防のための服薬指導が重要となる。長期投与例では顎骨壊死や非定型骨折のリスク評価も必要である。