オキサゾリジノン系抗菌薬
概要
オキサゾリジノン系抗菌薬は、主にグラム陽性菌に対して有効な新規構造の抗菌薬群である。バンコマイシン耐性腸球菌やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)など、多剤耐性菌感染症に対して使用される。リネゾリドが代表的な薬剤であり、静注・経口いずれも利用可能である。
要点
- グラム陽性菌に対する強力な抗菌活性を有する
- 多剤耐性菌(MRSA、VRE)感染症に適応
- 骨髄抑制やセロトニン症候群などの副作用に注意
薬理作用・機序
オキサゾリジノン系抗菌薬は、細菌のリボソーム50Sサブユニットに結合し、タンパク質合成開始複合体の形成を阻害する。これにより細菌の増殖を抑制する静菌的作用を示す。
禁忌・副作用
主な副作用としては、骨髄抑制(特に血小板減少)、末梢神経障害、乳酸アシドーシス、セロトニン症候群などがある。モノアミン酸化酵素阻害作用も有するため、特定の抗うつ薬との併用は禁忌または慎重投与となる。
適応疾患
| 疾患 | 薬理作用 | 補足 |
|---|---|---|
| MRSA感染症 | タンパク合成阻害 | 難治性グラム陽性菌感染に使用 |
| VRE感染症 | タンパク合成阻害 | バンコマイシン耐性腸球菌対応 |
| 敗血症 | タンパク合成阻害 | グラム陽性菌由来に適応 |
| 肺炎(院内・市中) | タンパク合成阻害 | MRSA肺炎などに適応 |
オキサゾリジノン系抗菌薬は、主にグラム陽性球菌による重症感染症(MRSA、VRE)や、これらが原因となる敗血症、肺炎などに対して用いられる。多剤耐性菌による感染症が疑われる場合や、他の抗菌薬が無効な場合に選択される。
薬品例
| 薬品名 | 主に使われるケース |
|---|---|
| リネゾリド | MRSA感染症、VRE感染症、敗血症 |
| テジゾリド | MRSA感染症、VRE感染症 |
補足事項
長期投与時は血球数や末梢神経障害のモニタリングが必要となる。リネゾリドは経口・静注ともバイオアベイラビリティが高く、重症例でも経口投与が可能である。耐性菌出現の報告もあり、適正使用が求められる。