色素性蕁麻疹

概要

色素性蕁麻疹は、主に小児に発症する皮膚の肥満細胞増殖性疾患であり、皮疹部に摩擦刺激を加えると膨疹や発赤が生じる(Darier徴候)。肥満細胞の脱顆粒によるヒスタミン放出が主な病態で、慢性的な経過をたどる。

要点

  • 皮膚肥満細胞の増殖による慢性疾患
  • 摩擦刺激で膨疹・発赤(Darier徴候)
  • 小児に多く、自然軽快することも

病態・原因

色素性蕁麻疹は皮膚への肥満細胞の異常増殖が本態であり、肥満細胞からのヒスタミンや他の化学伝達物質の放出が症状の原因となる。多くは突発的に発症し、遺伝的素因は稀である。

主症状・身体所見

褐色調の丘疹や斑状皮疹が体幹・四肢を中心に多発し、摩擦や刺激で膨疹・発赤・痒みが誘発される(Darier徴候陽性)。成人例では水疱形成は稀。

検査・診断

検査所見補足
皮膚生検肥満細胞の増生・集簇トルイジンブルー染色有用
Darier徴候摩擦刺激で膨疹・発赤診断的意義が高い
血清トリプターゼ軽度上昇例あり全身型鑑別で参考

診断は臨床所見(Darier徴候)と皮膚生検による肥満細胞増生の証明が中心。全身型(全身性肥満細胞症)との鑑別のため血清トリプターゼ測定も行う。

治療

  • 第一選択:抗ヒスタミン薬の内服
  • 補助療法:外用ステロイド、冷却、刺激回避
  • 注意点:アナフィラキシー既往例や全身症状は専門医紹介

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
アトピー性皮膚炎慢性湿疹・乾燥・苔癬化肥満細胞増殖なし
血管性浮腫一過性腫脹・疼痛・紅斑なしDarier徴候陰性
湿疹痒み主体・丘疹・浸潤肥満細胞増殖見られない

補足事項

小児例では思春期までに自然軽快することが多いが、成人例や全身型は慎重な経過観察が必要。刺激物・温熱・薬剤(NSAIDsなど)で症状悪化することがある。

関連疾患