肋骨骨折

概要

肋骨骨折は、胸部への直接または間接的な外力によって肋骨に生じる骨折であり、外傷性胸部損傷の中で最も頻度が高い。高齢者や骨粗鬆症患者では軽微な外力でも発生しやすい。多発骨折や合併症の有無により重症度が異なる。

要点

  • 胸部外傷で最も頻度の高い骨折である
  • 呼吸困難や合併症(気胸・血胸)に注意が必要
  • 基本は保存的治療だが重症例では外科的介入も検討

病態・原因

胸部への直接打撃や転倒、交通事故などの外傷により発生する。高齢者や骨密度低下例では咳やくしゃみなど軽微な外力でも起こることがある。肋骨の可動性が高い部位(第4~9肋骨)に好発する。

主症状・身体所見

胸部痛が主症状であり、深呼吸や咳嗽で増悪する。骨折部の圧痛、腫脹、皮下出血がみられる。重症例では奇異呼吸や胸壁の異常可動性が認められることがある。

検査・診断

検査所見補足
胸部X線骨折線、骨片転位、合併症の有無気胸・血胸の確認も重要
胸部CT骨折部位の詳細評価、合併損傷の検出X線で不明瞭な場合や多発例で有用
超音波検査骨折部の骨皮質不連続や血腫ベッドサイドで迅速に評価可能

骨折の診断は画像所見と身体所見の両方から行う。特に高齢者や複数肋骨骨折例ではCTによる精査が推奨される。合併する気胸・血胸・臓器損傷の有無を必ず確認する。

治療

  • 第一選択:鎮痛薬投与と安静、呼吸理学療法
  • 補助療法:胸部バンド固定(推奨度は低下傾向)、深呼吸訓練
  • 注意点:多発骨折や合併症例では入院管理・外科的治療を検討

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
肺挫傷呼吸困難と血痰、浸潤影X線・CTで肺実質陰影
気胸呼吸音減弱、鼓音、呼吸困難X線で肺虚脱像
胸壁打撲骨折線なし、圧痛のみX線で骨折所見なし

補足事項

肋骨骨折は高齢者や慢性疾患患者で重症化しやすく、肺炎や無気肺などの二次合併症に注意が必要。多発例や動揺胸郭では呼吸管理や外科的固定が必要となる場合がある。

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