羊水過少症
概要
羊水過少症は、妊娠中に羊水量が異常に減少する状態であり、胎児の発育や分娩経過に影響を及ぼす。胎児の腎・尿路系異常や胎盤機能不全、前期破水などが主な原因となる。胎児発育不全や臍帯圧迫など、胎児リスクが高まるため、早期発見と管理が重要である。
要点
- 羊水量の減少が胎児発育や分娩に悪影響を及ぼす
- 胎児腎・尿路異常、胎盤機能不全、前期破水が主な原因
- 胎児機能不全や臍帯圧迫などの合併症リスクが高い
病態・原因
羊水過少症は、胎児の尿産生低下(腎低形成、尿路閉塞など)、胎盤機能不全、前期破水などにより発症する。慢性的な羊水減少は胎児の肺発育障害や四肢拘縮を引き起こすことがある。
主症状・身体所見
母体の自覚症状は乏しいが、子宮底長の伸び悩みや胎動減少、超音波検査で羊水量の著明な減少が認められる。胎児の臍帯圧迫や胎児機能不全の兆候がみられることもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 超音波検査 | 羊水インデックス(AFI)5cm未満 | 4区画合計で評価 |
| 羊水ポケット | 最大羊水ポケット2cm未満 | 単一ポケットの最大径で評価 |
| 胎児超音波 | 胎児腎・尿路異常、発育不全の有無 | 形態異常や発育遅延の検索 |
羊水インデックス(AFI)5cm未満または最大羊水ポケット2cm未満が診断基準とされる。胎児の形態評価や合併症検索も重要である。
治療
- 第一選択:原因疾患の治療および分娩時期の適切な決定
- 補助療法:母体安静、羊水補充療法(アミノインフュージョン)、胎児モニタリング
- 注意点:胎児機能不全徴候出現時は早期分娩を検討、感染リスク管理
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 羊水過多症 | 羊水量増加、母体腹囲増大 | AFI25cm以上、最大ポケット8cm以上 |
| 前期破水 | 羊水流出の自覚、膣鏡所見 | 膣分泌物の羊水成分検出 |
| 胎児発育不全 | 胎児発育遅延が主体 | 超音波で推定体重の低下 |
補足事項
羊水過少症は胎児肺低形成やPotter症候群の原因となりうる。特に妊娠中期以降の発症では胎児予後不良となることが多く、厳重な管理が求められる。